酪農乳業史デジタルアーカイブス

如何にして酪農を北満の農業に取入るべきか

1940年代(昭和15-昭和24) / 北海道

概要

北海道での経験に基づいて、現在の中国東北部である満洲北部の酪農経営について、技術面から具体的に提案した書籍です。著者は宇都宮仙太郎の娘婿で、デンマークで酪農を学んだ技術者の出納陽一で、当時は満洲開拓公社の技術顧問でした。戦前における北海道酪農の技術水準を知ることができます。第3章「開拓地に於ける酪農」と題して、当時の日本人開拓地での酪農実践については、前年に北海道から若い牛を40頭ほど輸入した第7次農業開拓団の香川団体を挙げています。10頁からは飼料について、デントコーン栽培とサイロによるエンシレージ(サイレージ)利用、現地で栽培可能なルーサン(アルファルファ)を推奨、公主嶺にあった国立農事試験場の試験栽培の一番刈、二番刈、三番刈の収量や成分の統計を引用しています。59頁からの第7章「製酪事業」では酪連による当時のバター製造販売の詳細、アイスクリームやチーズ、カゼインの生産状況の詳細を紹介しています。結論としては、「満洲国」内に20所の模範農場を設けて1か所に10人の実習生を教育することを提案しています。

タイトル 如何にして酪農を北満の農業に取入るべきか
著者 水谷國一(出納陽一報告)
出版社 南満州鉄道株式会社
史料所在地 北海道大学附属図書館 
1940年(昭和15年)
都道府県 北海道
分類 技術・衛生・家畜

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