北海道にデンマーク酪農を伝えた技術者で、現在の中国東北部である満洲の酪農開発に満洲拓殖公社参与として携わった出納陽一が、太平洋戦争末期の1944年に、日本人農家の満洲における営農の手引きとして執筆した書籍です。2頁には、3年前に北海道から実験農家として70戸あまりを全満各地10か所に入植させたとの記述があります。1932年から1935年に1800戸の試験移民が、その後開拓団の名で終戦までに900団約7万戸、家族を含め27万人〜32万人が入植しました(今井良一「満洲農業開拓民」三人社、2018年)。プラウによる改良農法、厩肥及び尿による施肥、飼料作物、酪農経営、農場建設、農具器械、開拓地の生活面などを16章にわたって詳しく解説しています。210頁からの第11章「牛乳と乳製品」には搾乳、冷却、バター製法、脱脂乳・バターミルクの活用、乾酪(チーズ)の製法も網羅され、当時の技術水準を知ることができます。
タイトル | 満洲開拓と酪農経営 |
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著者 | 出納陽一 |
出版社 | 満洲事情案内書 |
史料所在地 | 酪農学園大学附属図書館 |
年 | 1944年(昭和19年) |
都道府県 | 北海道 |
分類 | 技術・衛生・家畜 |
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