介護する人、される人のお悩みを”乳和食”がサポートします。
■ 介護食としての乳和食 そのメリットは
乳和食の作り方は簡単です。また、牛乳の乳脂肪などの働きで料理がしっとりとまろやかに仕上がるため、かむ力や飲み込む力が弱くなった高齢者にも食べやすく、家族みんなで楽しめます。嚥下調整食としても応用でき、介護用に別の料理を作る必要がありません。
高齢になるほど増える高血圧症。血圧安定のためには減塩が大事です。乳和食は、塩分を控えても深い味わいで、うす味とは感じさせません。入院患者を対象にしたアンケート調査でも「おいしい」という回答が9割近くにのぼり、牛乳の風味が苦手な高齢者への栄養改善にも役立ちます。
高齢になると病気などをきっかけに低栄養になりやすく、それが続くとサルコペニア(筋肉量の減少や筋力低下)や骨粗鬆症、気力低下なども進むおそれがあります。乳和食は、通常の和食より、牛乳に含まれるカルシウムやたんぱく質、ビタミンA・D・E・B群などの栄養を多く摂ることができます。毎日の食事に継続して取り入れると、低栄養の改善も期待できます。
介護を受けている在宅高齢者には糖尿病の人が多くいます。ごはんなど糖質の多い食品は血糖値を上げやすいですが、牛乳とごはんを一緒に摂ると血糖値の上昇が低く抑えられることが知られています。また、和食献立とそれを乳和食にした献立で、食後の血糖値の変化を比較した研究でも、乳和食のほうが食後血糖値の上昇を抑える傾向がみられました。さらに、牛乳・乳製品の摂取量が多い人ほど認知症の発症リスクが低いことも報告されています。
冊子「介護におすすめ乳和食」掲載レシピ
料理名 |
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1 ミルク入りカニ玉焼き |
調理前に必ずお読みください。
◉ペースト状にする場合、少なくとも2人分を小型のミキサーやフードプロセッサーで、水を適宜補って撹拌します。ごはんやいもなどでんぷんの多いものは粘りが出てのどに はりつく危険があるので、でんぷん分解酵素配合の補助食品を加えて撹拌します。
(該当する料理には、ペースト状の説明に★印をつけてあります。)
◉嚥下機能の状態は個人差があるので、その人に合った形状になるよう水分量などを調節し、場合によっては水どき片栗粉やとろみ調整食品でとろみをつけるなどしてください。
介護・給食施設調理関係の皆様へ
アイコンがある料理については、大量調理へ応用する場合のヒントを以下の冊子で確認することができます。
『乳和食 スチコンで減塩!大量調理レシピ』
https://www.j-milk.jp/nyuwashoku/download.html
料理/ 藤原恵子先生 緑風荘病院栄養室・健康推進部 管理栄養士