「学校給食のない日」の栄養バランスの乱れ
「学校給食がある日」と「学校給食がない日」を比べると・・・
現代の日本の子どもたちの栄養的な問題として、食塩と脂質の過剰摂取、食物繊維の摂取不足などが挙げられます。
小・中学生の「学校給食がある日」と「学校給食がない日」の栄養素摂取状況を比較すると、「学校給食がある日」よりも「ない日」のほうが、栄養素摂取量に過剰や不足が多いことがわかりました。「学校給食がない日」では、ビタミンA、B群などのビタミン、カルシウム、カリウム、鉄などのミネラルが不足している子どもが多く、特にカルシウムの不足が顕著でした。
この調査により、「学校給食のない日」の子どもたちの食事が大きな課題として浮かび上がってきました。
一方で、食塩の摂取量は、学校給食の有無にかかわらず過剰です。これは、学校給食の対応だけでは限界があり、家庭での取り組みも必要なことを示しています。
「日本人の食事摂取基準」を達成していない子供の割合:学校給食がある日(平日)と学校給食がない日(休日)の比較
◇学校給食がある日もない日も食塩は過剰摂取
◇学校給食がない日は約8割の子どもがカルシウム不足
◇その他の栄養素も不足の割合が高い!
2024 年度国産畜産物利用安定化対策事業(国産乳製品等需要拡大事業)
子どもの栄養摂取状況からみえる不足と過剰
乳和食は子どもの栄養課題にも貢献する調理法でもあります
子どもたちは「学校給食のない日」には、家庭で牛乳を飲まない傾向にあります。
その結果、小中学生では、「学校給食のある日」はカルシウム摂取量が満たされている性年代層も一部あるものの、「学校給食のない日」には、小中学生のすべての学年において200~470mgのカルシウム不足がみられます。
そこで、子どもにも「乳和食」です。子どもにおいても大人の世代と同様に、家庭での食事における減塩と、カルシウム摂取が必要であり、「乳和食」の考え方が有効です。
食塩過剰摂取の防止やカルシウム不足の改善、さらには成長に必要な必須アミノ酸をバランスよく含む良質なたんぱく質を補うこともできる「乳和食」を家庭での食生活に取り入れることで、全体的な栄養バランスの改善に期待ができます。
乳和食とは
乳和食は、少ない塩分でもおいしく、
日ごろのカルシウム不足が自然に補える、新しいスタイルの和食です。
日本人が好んで食べる伝統的な食事である和食は、米飯を主食に、主菜や副菜に魚介類や野菜類を多く使い、脂肪分も少ないことから、健康的な食事と考えられていますが、実は食塩の摂取量が増えてしまうという弱点があります。
また、カルシウムも不足しがちになってしまいます。
その弱点を埋めるのが牛乳の持つ「カルシウム」と「旨味」や「コク」なのです。
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乳幼児~高齢者まで 全世代でオーバーしている栄養素とは?
食事摂取基準に対する実際の摂取量
毎日の食生活での食塩量
和食が世界で評価されていますが、気になる点として〝塩分(食塩)過多〟と〝カルシウム不足〟があげられています。和食は油脂が控えめで、栄養バランスもよくカロリーは高くないのですが、食塩が多め。みそ汁と漬物だけで4g近くになります。
また調味料にも食塩が多く含まれており、よく使う調味料の食塩量を把握し、健康のための1食の食塩量は子どもの場合2g程度、大人でも2~3g程度にしていくことが必要です。
イメージ)食事摂取基準に対する実際の摂取量
◇男女ともに塩分は摂り過ぎ、カルシウムは不足の傾向にあります。
どの世代も食塩摂取量はオーバー
日本人の食塩摂取量は減ってきていますが、成人の1日の食塩摂取量は平均で約10gです。健康のための食塩の摂取目標は、成人で男性7.5g未満、女性6.5g未満(「日本人の食事摂取基準2025年版」厚生労働省)。また、日本高血圧学会による高血圧予防のための減塩目標は6g未満ですが、これらの目標に比べ3~4gも多く摂取しています。
味覚が形成される時期に濃い味に慣れた子供は、大人になっても塩分の多い食事を好む傾向にあります。
食塩の摂りすぎは今や大人だけの問題でなく、1歳児からすでに摂取量をオーバーしているのです。
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日本人に不足しがちな栄養素とは?
毎日作り変えられる骨、将来にわたる健康づくり
日本人のカルシウム摂取量は、ほとんどの年代において食事摂取基準の推奨量に足りていません。
丈夫な骨や歯をつくるのに欠かせないカルシウムですが、心筋の収縮を調整し、神経伝達を正常に保つなどの役割もあります。カルシウムが不足すると骨や歯が弱くなり、骨粗鬆症を起こしやすくもなります。幼児期や骨量が大きく増える10代でもかなり不足し、20~30代でも骨量が低い人が多いというデータも。女性は出産・子育てを乗り切るためにも丈夫な骨が必要ですが、更年期以降も骨量が減りやすいので、生涯に渡り、カルシウムをしっかり摂ることが重要です。。
1日に必要なカルシウム推奨量に対する実際の摂取量
◇カルシウムはすべての世代で不足しがち。
給食形態が子どもの体格に与える影響を調べた研究があります。
中学2年生を対象に体格と関連が深い踵骨(しょうこつ=かかとの骨)の骨量を調べたところ、給食未実施群よりもミルク給食群(ミルクのみ)、さらに完全給食群(主食+おかず+牛乳)が有意に高値を示す結果になりました。これは、牛乳(カルシウム)の摂取、そしてより適切な栄養の摂取が、骨の形成においていかに重要かを示しています。
給食形態別の踵骨骨量
(ファクトブック「子どもたちに牛乳は必要か」P.10)
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エビデンスに基づいた資料や、学習に役立つツールをご紹介
ぜひご活用ください!
ファクトブック「若い女性の『やせ』と日本人の栄養課題」
◇現代日本人が抱える栄養問題
◇骨や筋肉を維持する栄養素が足りない!
◇牛乳乳製品の役割 ほか
メディアミルクセミナーニュースレター No.55(『小中学生の栄養不足』)
◇小中学生の栄養不足
◇カルシウム摂取量に貢献する 学校給食
◇「牛乳を飲んだら太る」は本当?嘘? など
土日ミルク
「土日ミルク」は、子どもたちのカルシウム不足の解決を目的に、学校給食がない日も牛乳を飲むことを促進する取り組みです。
ご家庭での牛乳飲用・利用の促進のため、学校や地域などと連携し、食育プログラムのデータ提供や、牛乳にまつわる話だけのSNS漫画雑誌、週末の料理の新定番となるレシピ、ロゴやイベントツールの提供、そのほか土日ミルクの活用事例などを公開しています。
アニメ動画「牛乳大好き新入社員 ロクイチくん」
“牛乳の正しい情報をみんなに届けたい!” 皆さまから問い合わせの多い牛乳についてのギモンや、困っていることについて、国内外の最新エビデンス情報をもとにロクイチくんが動画で解説しています。
本編12本に加え、ショート動画「知ってるようで知らない牛乳の世界」14本をYoutube公開中。
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時代に合わせ、乳和食も日々、進化しています
おすすめの乳和食レシピをご紹介します!
乳和食なら塩分の高い調味料を減らし、牛乳を加えることでしっかりとした味わいに。
すべての年代に必要な栄養素を手軽に摂取することができ、栄養バランスを整えます。
時代のニーズに応え、材料の選定や作り方に工夫を重ね、皆さまにとって作りやすく、お財布にも優しいレシピを開発、公開しています。
- ミルクレモンごはん →いつものカレーのごはんを乳和食に
- かぼちゃのほったらかし煮 →ミルクを飲んだ煮物で栄養チャージ
- 白桃のミルク餅 →子どもでも作れる、栄養満点!! 食育おやつレシピ
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