広々とした牧場で、乳牛が牧草を食んでいる姿はのんびりしていいものですね。
私達は草を食べてもその繊維分を消化することができません。乳牛は草を食べて、どうしてあんなに栄養豊かなミルクを作り出せるのでしょうか。草からミルクへ、その秘密を探ってみましょう。
牛の四つの胃
牛の胃袋はとても大きく、おなかの部分の4分の3も占めており、4つに分かれています。
このなかで最も大きいのが第一胃(ルーメン)で、成牛ではおよそ200Lもあります。
このなかで最も大きいのが第一胃(ルーメン)で、成牛ではおよそ200Lもあります。
発酵タンク第一胃(ルーメン)
草はルーメン内に最も長く留まります。
牛は1日に6~10時間くらい、ルーメンに入った草を口に戻してゆっくりすりつぶし、また戻すという咀嚼・反すうを繰り返します。
このことから牛を反すう動物といいます。
ルーメンは発酵タンクとしての機能を持っています。
発酵とは、微生物の作用で起こるものですが、ルーメン内にも、たくさんのバクテリアやプロトゾアなどの微生物が共生しています。
その微生物たちが持っている消化酵素の作用で、主に草の炭水化物が牛にとって最も大事な栄養素(揮発性脂肪酸)になるのです。
牛はこの揮発性脂肪酸から糖質や脂肪などの栄養素を体内で作っています。
さらに草のたんぱく質も、微生物の体たんぱく質に作り変えられていきます。
牛は1日に6~10時間くらい、ルーメンに入った草を口に戻してゆっくりすりつぶし、また戻すという咀嚼・反すうを繰り返します。
このことから牛を反すう動物といいます。
ルーメンは発酵タンクとしての機能を持っています。
発酵とは、微生物の作用で起こるものですが、ルーメン内にも、たくさんのバクテリアやプロトゾアなどの微生物が共生しています。
その微生物たちが持っている消化酵素の作用で、主に草の炭水化物が牛にとって最も大事な栄養素(揮発性脂肪酸)になるのです。
牛はこの揮発性脂肪酸から糖質や脂肪などの栄養素を体内で作っています。
さらに草のたんぱく質も、微生物の体たんぱく質に作り変えられていきます。
第二胃から第四胃
第二胃、第三胃は、収縮と弛緩を繰り返して、ルーメン内容物の攪拌を行ったり、移動調節を行ったりしています。
第一胃から第三胃までは、食道が変化したもので、消化液の分泌はしません。
ルーメン内で増殖した微生物や発酵産物が第四胃に送られます。
第四胃は人間と同じ機能をもつ胃で胃液が分泌され消化が進みます。
さらに小腸に送られ、消化酵素の作用を受け、栄養分として吸収され、血液を通って全身に運ばれます。
第一胃から第三胃までは、食道が変化したもので、消化液の分泌はしません。
ルーメン内で増殖した微生物や発酵産物が第四胃に送られます。
第四胃は人間と同じ機能をもつ胃で胃液が分泌され消化が進みます。
さらに小腸に送られ、消化酵素の作用を受け、栄養分として吸収され、血液を通って全身に運ばれます。
乳房は工場の最終ライン
ミルクを作っているのは乳房の中の乳腺細胞。
原料となる栄養素はすべて血液によって運ばれてきます。
乳脂肪の材料は、全身に蓄えられている体脂肪や揮発性脂肪酸から合成されます。
乳たんぱく質も血液中のアミノ酸から合成、乳糖も同じようにグルコースから合成されます。
このほか、乳腺細胞で作ることができないミネラルやビタミンなどは血液中から乳腺細胞内に取り込まれます。
このように血液によって運ばれてくる栄養素をもとに乳腺細胞がミルクを作っているのです。
1Lのミルクを作るのに約500Lの血液の循環が必要といわれています。
たとえば1日約25Lのミルクを出す乳牛の場合、乳房を通る血液量は12.5tにもなります。
牛のからだは人間が消化できない草を、おいしい栄養たっぷりのミルクに変える工場といえるのです。
原料となる栄養素はすべて血液によって運ばれてきます。
乳脂肪の材料は、全身に蓄えられている体脂肪や揮発性脂肪酸から合成されます。
乳たんぱく質も血液中のアミノ酸から合成、乳糖も同じようにグルコースから合成されます。
このほか、乳腺細胞で作ることができないミネラルやビタミンなどは血液中から乳腺細胞内に取り込まれます。
このように血液によって運ばれてくる栄養素をもとに乳腺細胞がミルクを作っているのです。
1Lのミルクを作るのに約500Lの血液の循環が必要といわれています。
たとえば1日約25Lのミルクを出す乳牛の場合、乳房を通る血液量は12.5tにもなります。
牛のからだは人間が消化できない草を、おいしい栄養たっぷりのミルクに変える工場といえるのです。
MILK通信II ほわいと(2002・秋号より)