ウワサ22 市販の牛乳には「女性ホルモン作用」がある

牛乳の気になるウワサをスッキリ解決!

ウワサ22 市販の牛乳には「女性ホルモン作用」がある

牛乳摂取によって女性ホルモンの影響を受けることはありません。

● 牛乳中に女性ホルモンは微量しか含まれていない
牛乳に含まれているエストロゲンは、極めて微量です。国内では過去に大々的な調査が行われ、その結果は食品安全委員会のホームページでご覧になれます*1。
この調査では、100種類の市販牛乳について、上記の3種類のエストロゲンの含有量を調べました。牛乳中のエストロゲンは、遊離体と抱合体という2つの形で存在しますが、遊離体はエストロンのみが全平均で0.014 ng/gが検出されました。また、硫酸抱合体となっているエストロンが全平均値で0.088 ng/g、グルクロン酸抱合体となっている17α-エストラジオールが全平均値で0.011 ng/gが検出されました。しかし、いずれの量も極微量であることが分かりました。

● 牛乳を飲むことでエストロゲンの血中濃度は上がらない
牛乳を仮に500mL飲んだ場合に、血中濃度がどれくらい上がるのかを計算してみます。牛乳中のエストロゲン量は*1の調査結果の最大値とし、含有エストロゲンは分解されることなくすべて血中に移行するものとします。
計算の結果、遊離体のエストロン量は25pg/mLでした。また、胞合体のエストロン量は16.7pg/mLであり、両者を合わせても19.2pg/mLでした。エストロンの活性は、エストラジオールの活性の約半分ですので、すべてをエストラジオールに換算しても11.9pg/mLです。
この量と、男性・女性のエストラジオール正常値*2を比べてみると、正常レベル以下の極めて低レベルであることがわかります。したがって、「牛乳には女性ホルモン活性がある」とは言えません。
牛乳中の女性ホルモン量は、まったく心配するレベルの量ではありません。

◆男性の場合の正常範囲: 20~60pg/mL

◆女性のエストラジオールの基準値の範囲

時期

単位(pg/mL)

卵胞期前期

10~78pg/mL

卵胞期後期

31~200pg/mL

排卵期

103~366pg/mL

黄体期前期

14~225pg/mL

黄体期後期

251pg/mL以下

閉経後

18pg/mL以下

そもそも・・・「女性ホルモン」ってなに?

女性ホルモンとは卵胞ホルモンのエストロゲンのことであり、主に生殖器の発育に関与するホルモンです。
エストロゲンは、女性の卵巣からだけでなく、男性の副腎や睾丸でも作られ、分泌されています。

エストロゲンは、一般に以下の3つのタイプが知られています。
・エストロン(E1)
・エストラジオール(E2)
・エストリオール(E3)

エスラジオールはエストロゲンの中で最も多く含まれており、またその強さはエストロンの2倍、エストリオールの10倍とされています。