ウワサ5 牛乳を飲みすぎると骨粗鬆症になる

牛乳の気になるウワサをスッキリ解決!

ウワサ5 牛乳を飲みすぎると骨粗鬆症になる

牛乳を飲み過ぎて骨粗鬆症になることはありません。

● 「牛乳を飲み過ぎると骨粗鬆症になる」という論文や研究報告は、1つもない
1975年.2000年の25年間に出された、牛乳が骨の健康に及ぼす効果を調べた139の論文には、「牛乳を飲みすぎると骨粗鬆症になる」としたものは1つもありません。
国内・海外の骨粗鬆症財団や、世界保健機関(WHO)などからも、そのような発表は一切されていません。それどころかWHOは「カルシウムの最良の補給源は牛乳、乳製品である」と明確に記しています。

● 牛乳摂取の意義を示した報告はたくさんある
① 牛乳・乳製品の摂取を増やすと、成長期では骨量が増加し、中高年期では骨量減少が抑制されることが厚生労働省の研究などで報告されています。

② 日本人の若年女性を対象とした試験結果では、牛乳のカルシウム吸収率が他のカルシウム含有食品より優れているという報告がされています(カルシウムの吸収率は牛乳40%、小魚33%、野菜19%)。

③ 60歳以上の日本人女性を対象にした調査研究では、若いときから牛乳などでカルシウムを積極的に摂り、最大骨量(peak bone mass)を増やすことが骨粗鬆症の予防に重要と報告されています。

④ 中高生の男女約6,000人を対象に行ったフィールドワークでは、牛乳の摂取量が多いほど骨量が多いことが報告されています。

参考資料
・ 伊木雅之, 厚生労働科学研究報告2003. ほか
・ 上西一弘, 江澤郁子, 梶本雅俊ほか. 日本人若年成人女性における牛乳, 小魚(ワカサギ, イワシ), 野菜(コマツナ, モロヘイヤ, オカヒジキ)のカルシウム吸収率. 日本栄養・食糧学会誌. 1998, 51(5), 259 -266.
・ 杉浦英志, 佐藤啓二, 三浦隆行ほか. 骨粗しょう症, 大腿骨頚部骨折, コーレス骨折における危険因子の検討. 日本整形外科学会雑誌. 1992, 66(9), 873 - 883.
・ 上西一弘, 石田裕美. 牛乳摂取を中心とした中高生の食生活の実態と身体組成(特集 牛乳乳製品と乳酸菌の明日). 食の科学. 2002, 9(295), 4 - 11.

そもそも・・・骨粗鬆症って?

骨粗鬆症とは、骨量が減少して骨がスカスカになり、骨折しやすくなっている状態のことをいいます。「鬆(しょう)」は「す」を意味します。骨に「す」が入っている状態をイメージしてください。 
人間の骨量は、小学生・中学生のころに最も増加率が高くなり、25.30歳で骨量は最大になります(最大骨量:peak bone mass)。その後はだんだんと減っていってしまいます。

とくに女性は、男性に比べてもともと骨量が少ないうえ、閉経後は女性ホルモン(エストロゲン)のはたらきが低下することで著しく骨量が減少します。加齢によって骨量が減るのは避けられないことですが、カルシウムを摂取することで骨粗鬆症になるのをある程度防ぐことはできます。牛乳・乳製品は、骨粗鬆症の予防に有効な食品です。