ウワサ8 牛乳は胃の中で固まるので消化が悪い
牛乳は、とても消化吸収の良い食品です。
● 胃の中でヨーグルト状になり分解(消化)される
牛乳に含まれているたんぱく質の約80%は「カゼイン」です。
カゼインは、牛乳中ではくっつきあって小さな粒子として分散しています。私たちが牛乳を飲んだとき、胃の中では、胃酸によって固まり(凝集)、ヨーグルトのような状態になります。たんぱく質を分解する消化酵素などが自由に入り込めるすき間の多い構造ですから、どんどん分解(消化)されていきます。消化が悪くなるわけではなく、逆に小腸滞留時間が延長され、より消化性は高まります。
● 牛乳中のカゼインは熱を加えなくても消化の良い優れたたんぱく質
肉を加熱すると消化が良くなります。加熱により、たんぱく質が変性して消化酵素の作用を受けやすくなるからです。
牛乳中のカゼインは、肉のように熱で変性させなくても、そのままの形で消化可能な構造を持っています。
食品のたんぱく質の消化率を比較しますと、牛肉97.5%、鶏卵97.1%に対し、牛乳は98.8%。
牛乳の消化率は主要なたんぱく質食品の中でも最も優れています。
牛乳は、とても消化の良い食品なのです。
参考資料
・ Thompson MP. et al. Neth. Milk Dairy Journal. 1973, 27, 220-239.
・ “ミルクのサイエンス”. 上野川修一, 菅野長右ェ門, 細野明義編. 社団法人全国農協乳業プラント協会. 1996, 39 - 40.
・ 武田英二, 桑田有, 「牛乳タンパク(カゼイン)の栄養価」に関する情報収集・研究報告書. 2007.
牛乳に含まれているたんぱく質の約80%は「カゼイン」です。
カゼインは、牛乳中ではくっつきあって小さな粒子として分散しています。私たちが牛乳を飲んだとき、胃の中では、胃酸によって固まり(凝集)、ヨーグルトのような状態になります。たんぱく質を分解する消化酵素などが自由に入り込めるすき間の多い構造ですから、どんどん分解(消化)されていきます。消化が悪くなるわけではなく、逆に小腸滞留時間が延長され、より消化性は高まります。
● 牛乳中のカゼインは熱を加えなくても消化の良い優れたたんぱく質
肉を加熱すると消化が良くなります。加熱により、たんぱく質が変性して消化酵素の作用を受けやすくなるからです。
牛乳中のカゼインは、肉のように熱で変性させなくても、そのままの形で消化可能な構造を持っています。
食品のたんぱく質の消化率を比較しますと、牛肉97.5%、鶏卵97.1%に対し、牛乳は98.8%。
牛乳の消化率は主要なたんぱく質食品の中でも最も優れています。
牛乳は、とても消化の良い食品なのです。
参考資料
・ Thompson MP. et al. Neth. Milk Dairy Journal. 1973, 27, 220-239.
・ “ミルクのサイエンス”. 上野川修一, 菅野長右ェ門, 細野明義編. 社団法人全国農協乳業プラント協会. 1996, 39 - 40.
・ 武田英二, 桑田有, 「牛乳タンパク(カゼイン)の栄養価」に関する情報収集・研究報告書. 2007.
もっと知りたい! 牛乳のたんぱく質って?
牛乳のたんぱく質は大きく2種類に分けられます。約80%がカゼインで、残りの約20%はホエーたんぱく質です。牛乳を遠心分離機にかけると、クリーム(乳脂肪)は上に浮き、下は脱脂乳となります。この脱脂乳のpHを4.6にすると、カゼインは沈澱し、ホエーたんぱく質は沈まずホエー(乳清)中に残ります。
牛乳のたんぱく質には次のような特性があります。
①必須アミノ酸を多く含む
たんぱく質は20種類のアミノ酸が結合してできています。20種類のアミノ酸のうち、人間の体内で合成できない8種類は「必須アミノ酸」といい、必ず食べ物から摂る必要があります。必須アミノ酸のどれか1つでも摂取量が少ない場合、体内では、最も少ないアミノ酸の量までしか利用できません。アミノ酸は、その組成バランスが良くないと、栄養的に低くなってしまいます。
牛乳のたんぱく質は、必須アミノ酸のすべてが必要量を超えて存在している、本当に優れたたんぱく質です。
②消化が良い
たんぱく質は加熱により変性させると、その消化性が高くなります。
カゼインはもともとプロリン量※が多く分子全体に存在する「変性たんぱく質」の構造を持っているため、加熱しなくても消化性に優れています。また、加熱すればホエーたんぱく質もさらに消化が良くなります。
※プロリン:たんぱく質を構成する20種類のアミノ酸の1つ。生体内で合成される(非必須アミノ酸)。唯一、アミノ基を持たないアミノ酸。
③カルシウムの吸収を助ける
カゼインが消化される過程で生成される「カゼインホスホペプチド(CPP)」は、リン酸基を多く含み、小腸下部でカルシウムと結合して腸内沈澱を防ぎ、カルシウムの体内への吸収を助けます。
このほか、牛乳のたんぱく質にはこんな機能を持つ成分が含まれています。
●抗菌・免疫増強作用を持つラクトフェリン
●抗炎症作用を持つα-ラクトアルブミン
●骨形成を助けるシスタチン
牛乳のたんぱく質には次のような特性があります。
①必須アミノ酸を多く含む
たんぱく質は20種類のアミノ酸が結合してできています。20種類のアミノ酸のうち、人間の体内で合成できない8種類は「必須アミノ酸」といい、必ず食べ物から摂る必要があります。必須アミノ酸のどれか1つでも摂取量が少ない場合、体内では、最も少ないアミノ酸の量までしか利用できません。アミノ酸は、その組成バランスが良くないと、栄養的に低くなってしまいます。
牛乳のたんぱく質は、必須アミノ酸のすべてが必要量を超えて存在している、本当に優れたたんぱく質です。
②消化が良い
たんぱく質は加熱により変性させると、その消化性が高くなります。
カゼインはもともとプロリン量※が多く分子全体に存在する「変性たんぱく質」の構造を持っているため、加熱しなくても消化性に優れています。また、加熱すればホエーたんぱく質もさらに消化が良くなります。
※プロリン:たんぱく質を構成する20種類のアミノ酸の1つ。生体内で合成される(非必須アミノ酸)。唯一、アミノ基を持たないアミノ酸。
③カルシウムの吸収を助ける
カゼインが消化される過程で生成される「カゼインホスホペプチド(CPP)」は、リン酸基を多く含み、小腸下部でカルシウムと結合して腸内沈澱を防ぎ、カルシウムの体内への吸収を助けます。
このほか、牛乳のたんぱく質にはこんな機能を持つ成分が含まれています。
●抗菌・免疫増強作用を持つラクトフェリン
●抗炎症作用を持つα-ラクトアルブミン
●骨形成を助けるシスタチン
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