牛乳・ヨーグルトで、お腹もお肌もイキイキ元気。美容と健康に大きく影響する「善玉菌」と「悪玉菌」をみていきましょう。
腸の健康を左右する、善玉菌と悪玉菌
私たちの腸の中には100種類以上、100兆個を超える細菌がすみついています。でも生まれたときからすみついているわけではありません。
生まれたての赤ちゃんの初めての便(胎便)はふつう無菌です。それが3、4時間後には腸内に大腸菌や腸球菌などが出現しはじめ、生まれてわずか1日目で総菌数が便1g当たり1000億個を超えてしまいます。 やがて3 - 5日目にはビフィズス菌が出現し、最優勢となり、大腸菌や腸球菌は極端に減って赤ちゃんの健康が守られるのです。
これらの腸内細菌は、健康維持に働くビフィズス菌などの「善玉菌」と、健康を阻害する作用のあるウェルシュ菌、大腸菌などの「悪玉菌」に分けられます。 腸内には、この善玉菌と悪玉菌が常になわばり争いをしながら一定のバランスを保ってすみつき、善玉菌が多いか少ないかによって腸の健康状態が左右されます。
悪玉菌が体に及ぼす「悪」とは
この有害物質の中には発がん性のある物質もあり、大腸がんなどの原因ともなります。
食生活、便秘、加齢で腸内バランスが崩れる
悪玉菌は動物性たんぱく質を好むため、肉中心の食生活は悪玉菌を増やします。また、肉中心では野菜も不足しやすく便秘になりがちです。
ビフィズス菌などの善玉菌は、大腸の入り口で増殖するので、便が大腸を通過していく間にだんだんとその働きは弱まります。つまり、便の通過時間が長いほど悪玉菌が増殖しやすくなるというわけです。そして、便が滞ると悪玉菌が増殖してどんどん有害物質を出し、それが腸から吸収されてしまうのです。
細菌バランスは、ウンチでチェック
牛乳・ヨーグルトで善玉菌を育てましょう
腸内環境をよくして体とお肌を健康にするためには、ビフィズス菌をどのようにして増やせばよいのでしょうか。
答はとても簡単。善玉菌も生き物、当然人間と同じように栄養が必要なのです。善玉菌の栄養となるのは、ずばり糖質。
牛乳に含まれる糖質、乳糖は、分解されにくいのでそのままの形で腸まで届きます。
そしてビフィズス菌の恰好のエサとなり、乳酸、酢酸などの酸性物質を作り出します。悪玉菌は酸性の環境を好まないため、増殖スピードが遅くなり、結果的に悪玉菌を押さえ込むことができるのです。乳糖は、腸内細菌のバランスを「いい感じ」にしてくれる大切な成分なのです。
乳糖は牛乳に限らず、ヨーグルトをはじめとする乳製品にも含まれています。これらを毎日食べるだけで、腸内環境は十分よくなるわけです。
乳酸菌は生きたまま腸に届く?
しかしこれらの乳酸菌も、もともと腸にすんでいるビフィズス菌のように、そのまま腸にとどまることはできません。
お肌は内臓の鏡。健康な腸で、肌イキイキ。
j-milk magazine ほわいと 2004夏号より