2008年4月からスタートしたメタボ健診・保健指導。
メタボリックシンドロームは、予備群も合わせると日本人の6人に1人といわれています。
そして、一部では「牛乳・乳製品を取ると太る!」と誤解している人もいるようです。
そこで、この記者発表を受けて、改めてメタボ予防と牛乳の関係を特集します。
ミルクの最新ニュースに、ご期待ください。
j-milk magazine ほわいと 2010冬号より
牛乳乳製品は太る?!
生活習慣と健康に関するアンケート 40代以上に聞いてみました
気になるメタボ!でも対策はこれから
みなさんの関心の高さがうかがえます。
メタボ対策は 「バランス」がキーワード
牛乳は、エネルギーは少なくいろいろな栄養が豊富に含まれる食品です。さっそく、ミルクでメタボ対策をはじめてみませんか?
まずは知っトコ!「メタボ」ってどんなもの?
あなたは大丈夫?メタボチェック!
内臓脂肪がたまりやすくなるには、ワケがある!
メタボリックシンドロームの人には、食生活の乱れや運動不足などの生活習慣に共通する部分があります。 そこで、内臓脂肪がたまりやすい生活習慣をご紹介。自分の生活習慣を振り返って、メタボ対策を!
食事のタイミングや量
● 寝る直前に食事をすることが多い
● 夜中に間食や、お酒をたくさん飲む
● 早食い、大食い
● 朝食を抜く
● 昼食や夕食を取る時間が不規則
栄養の偏った食事
● お菓子が好き
● 魚料理より肉料理の方が多い
● 脂っこい料理が好き
● 野菜が嫌い
● ソースやしょうゆなど調味料をドボドボかける
運動不足
● エレベーターやエスカレーターをよく使う
● 運動が苦手
● 移動は車が多い
● カラダを動かすことが億劫
● 普段、歩く機会が少ない
病気のリスクを高める内臓脂肪型肥満
メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪の蓄積が原因で「糖代謝異常」「血圧高値」「脂質代謝異常」が発生している状態です。
メタボリックシンドロームに該当する人は、複数の生活習慣病が同時に発生しやすく、がんと並んで日本人の三大死因を占める「心疾患」と「脳血管疾患」を引き起こすリスクも高い状況にあります。
つまり、命にかかわる怖い病気とダイレクトにつながっているということ。後遺症につながる病気を引き起こす可能性があります。
それにもかかわらず、メタボリックシンドロームと強く疑われる人は予備群も含め、約1960万人。日本人の6人に1人にものぼります。こうしたことから、多くの人からメタボ対策に注目が集まっているのです。
メタボリックシンドロームの診断基準である内臓脂肪の蓄積は、食生活の乱れや運動不足などの生活習慣を長年続けることで起こります。
内臓脂肪は、皮下脂肪にくらべたまりやすいもの。けれども、対策を講じることで改善されるものでもあります。生活習慣を見直して、未然に防ぐことが大切です。
身近な存在の牛乳が、メタボ予防に役立つかも!
研究開始のきっかけは数々の興味深い調査データ
牛乳・乳製品とメタボリックシンドロームの関係について、牛乳・乳製品の摂取量が多いほど、メタボリックシンドロームの該当者が少ないという興味深いデータが海外で報告されました。
また、日本においても、女子中学生・高校生を対象にした調査によると、なんと牛乳を飲む人の方が飲まない人にくらべ、体脂肪率が低いことがわかったのです。これらのことから、牛乳がメタボ対策に効果的ではないかと注目が集まりました。 そこで、Jミルクでは「牛乳・乳製品摂取とメタボリックシンドロームに関する横断的研究」を実施することに。健康科学大学 学長 折茂肇さんを座長とした各分野の専門家が参加し、調査研究会を組織しました。
Data01 海外の研究で、牛乳がメタボ予防に役立つ情報が次々と
2005年、アメリカとイランにて、各国ごとに牛乳・乳製品摂取とメタボリックシンドロームの関係について調査が実施されました※。牛乳・乳製品を摂取した場合のメタボリックシンドロームの有病率にかかわる確率について調べたところ、いずれの国でも牛乳・乳製品の摂取が多いほど、メタボリックシンドロームの発症頻度が少ない結果に。 ※[資料]アメリカ/Simin Liu et al. Diabetes Care 2005;28:2926-2932 イラン/Azadbakht L et al. Am J Clin Nutr 2005;82:523-30
Data02 牛乳を飲む人ほど、体脂肪率が低い!
日本の女子中学生・高校生を対象に、牛乳摂取と体脂肪率の関係について6年間にわたって調査を行いました。
牛乳を「1日200ml以上飲む」から「ほとんど飲まない」まで4グループに分け、高校3年生時の体脂肪率を調査。すると、牛乳を多く飲む人の方が飲まない人にくらべ、体脂肪率が低いことがわかったのです。
この調査により、牛乳が体脂肪率を減らすことに関与する可能性が示唆されました。牛乳とメタボリックシンドローム予防についてもよい結果が大いに期待できそうです。
牛乳乳製品を多く取る人ほど、メタボになりにくい!
大規模調査でミルクとメタボの関係がついに明らかに!
20 - 60代の乳業メーカー勤務者及び家族8659名を対象に、牛乳・乳製品とメタボリックシンドロームの関係について大規模な調査を実施。
検証は、厚生労働省の特定健診・特定保健指導のメタボリックシンドローム判定基準に基づき行いましたが、今回の調査では、女性の腹囲の基準を「90cm以上」から「80cm以上」にしたことなど、さらにいくつか判定基準を設置しました。 調査の結果、驚きの事実が判明しました。
アメリカやイランに続き、日本でも〝牛乳・乳製品の摂取量が多い人の方がメタボリックシンドロームの有病率が低い〞ということがわかったのです。
また、メタボリックシンドロームの判定基準となる腹囲や血圧などの項目についても、興味深い結果がみられました。 新しい発見が明らかとなった今回の調査。さっそく、詳しい内容について紹介していきます。
▲ 2010年8月26日に実施した記者発表会の様子
Data03 牛乳乳製品を取ることで明らかに減るメタボ!
アメリカとイランの研究を受け、日本でも牛乳・乳製品摂取量とメタボリックシンドロームの有病率を検証しました。
牛乳・乳製品に含まれるカルシウム量に合わせ4つのグループに分類し実施。 その結果、女性グループでは、牛乳・乳製品をもっとも摂取するグループの方がもっとも摂取しないグループより、メタボリックシンドロームの有病率が40%も低いことが明らかになりました。
また非喫煙男性では20%低いという結果が表れました。これにより、日本でも牛乳・乳製品の摂取が多いほど、メタボリックシンドロームの該当者が少ないことがわかりました。
Data04 さらに、詳しく調べたところ女性に注目の結果が!
牛乳・乳製品とメタボリックシンドロームの関係が明らかになったことを受け、さらに非喫煙者を対象にメタボリックシンドロームのどの部分に影響を及ぼしているのかを細かく検証しました。メタボリックシンドロームの判定基準である腹囲や血圧などを調整し調査。牛乳・乳製品に含まれるカルシウムの摂取量に合わせ4つのグループに分類しました。
その結果、女性では、牛乳・乳製品の摂取量が多いほど、「中性脂肪」は低く、善玉コレステロールである「HDL」は高まる結果に。牛乳・乳製品の摂取は、メタボリックシンドロームを構成する要素と関連していたことが明らかになったのです。
「食生活、生活習慣と健康に関する調査研究」概要
■調査対象: 20~60代の乳業メーカー勤務者及び家族8659名(非喫煙者6548名、喫煙男性2111名)
■調査内容: 日常の食生活の把握(45項目)、普段の運動と日常の生活の様子の把握(18項目)、健康診断の結果(12項目)
■調査スケジュール: 2008年10月~2010年1月:調査実施/データ収集/解析
■論文掲載: 日本栄養・食糧学会誌 第63巻 第4号 151-159(2010年8月)「牛乳・乳製品摂取とメタボリックシンドロームに関する横断的研究」 上西一弘、田中司朗、石田裕美、細井孝之、大橋靖雄、門脇孝、折茂肇
「ミルクと始める脱メタボ」生活
今日から早速スタート! 栄養バランスの改善が脱メタボの鍵に
食生活を改善することは内臓脂肪を減らすだけでなく、血液の状態や血圧の改善にもつながります。
だからといって、食べる量を単に減らすのではなく、栄養バランスを考え適量を食べることが大切。
メタボ対策にいい牛乳・乳製品を取り入れながら、これからの食生活を見直していきたいですね。
そもそも、食品に含まれる栄養素にはそれぞれ役割がありますが、カラダに必要な1日の摂取量は決まっています。
栄養の過不足で代謝のバランスは乱れ、エネルギーを取り過ぎると中性脂肪となって脂肪細胞の蓄積に。
まさに毎日の食生活はカラダの状態維持に直結しているといえます。
そこで、役立つのが牛乳・乳製品。牛乳・乳製品は、エネルギーは少なく、さまざまな栄養素が豊富に含まれているので、食事に加えると栄養バランスがぐんと改善します。
さっそく、ミルクといっしょに、"脱"メタボ生活をはじめてみませんか?
ミルクで食生活改善!メタボ予防の”いろは”
300kcal以下のレシピをご紹介! ミルクでヘルシーにメタボ対策を。
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