お日さまのエネルギーに包まれる夏。太陽から元気をもらう人もいれば、一方で夏バテになる人も・・・。
夏を快適に、すこやかに過ごすコツは「暑さ」と上手につきあうこと。「暑さ」対策のポイントを知れば、夏はなんとも楽しい季節です。
暮らし方にも「涼」を取り入れるためのいろいろな知恵がありますが、食生活こそ肝心かなめ。「暑さ」に強いカラダをつくるのにも、まいったカラダをいやすのにも、ミルクが大活躍します。
暮らし方にも「涼」を取り入れるためのいろいろな知恵がありますが、食生活こそ肝心かなめ。「暑さ」に強いカラダをつくるのにも、まいったカラダをいやすのにも、ミルクが大活躍します。
心もカラダも涼やかに、よい夏を謳歌してくださいね!
暮らし快適 涼の知恵
暑いとどうなる? 私たちのカラダ
私たちのカラダは、活動のための「交感神経」と、リラックスのための「副交感神経」からなる「自律神経」にコントロールされています。
「自律神経」は、内臓や汗腺など生命の維持にかかわる器官の働きに深くかかわっています。
「自律神経」は、内臓や汗腺など生命の維持にかかわる器官の働きに深くかかわっています。
暑くなると、その片方の「交感神経」が刺激されることによって、発汗を促したりして、私たちのカラダに影響を与えるのです。
カラダをコントロールする「交感神経」と「副交感神経」
「自律神経」には「交感神経」と「副交感神経」があります。「交感神経」は車のアクセル、「副交感神経」はブレーキのような働きをします。たとえば「交感神経」が発汗を促すのに対して、「副交感神経」は発汗を抑えるというように、ひとつの器官に対して、おたがいに相反する働きをします。これらの神経は、必要に応じてどちらかの働きを強めて、カラダ全体を調整しているのです。
夏こそ実践! 正しい食生活 -涼しく、健康に夏を過ごすために-
規則正しい食生活こそ、夏バテ予防のカギ
湿気が多く、汗をかきやすい日本の夏。発汗によって体力を消耗するだけでなく、ミネラルやビタミンも失われます。つまり、夏バテを防ぐためには、何よりも栄養補給が大切ということ。そのためにまず心がけたいのは、規則正しい食生活です。朝・昼・夕の三食をきちんと取らないと、一日に必要な栄養量をキープすることが難しくなります。
また、食欲がないからと朝食を抜いたり、忙しいからと夜遅くに夕食を取ったりしていませんか?食事の時間が不規則になると、胃腸や自律神経の働きが乱れてしまいます。カラダに負担がかかりやすい季節だからこそ、健康の基本となる食生活のリズムに気を配りたいですね。
バランスの取れた食事で代謝をスムーズに
私たちの体内で行われている「代謝」には、食事で補給した炭水化物や脂質からエネルギーを作り出す「エネルギー代謝」と、たんぱく質やミネラルから筋肉・皮膚・骨・臓器・血液などのカラダを構成する物質を作り出し、古くなった物質を排出する「新陳代謝」の、大きく分けて2つがあります。これらの代謝を維持するためには、ビタミンが欠かせません。
このように、どの栄養素が欠けても、私たちのカラダは元気に活動できません。冷たいそうめんやおそばに卵や薬味を添えたり、コンビニのお弁当にサラダをプラスしたり、デザートにヨーグルトを選んだり、栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。
暮らしの中のココにも注意!
プラスミルクで元気に夏を乗り切ろう!
ミルクには、夏の健康を応援する栄養がいっぱい。誰でも手軽にできる、食生活にミルクをプラスするコツを教えます。
1 牛乳には、夏バテ防止に欠かせないビタミンB群やたんぱく質が豊富
暑さや湿気で疲れがたまりやすい夏。体力を維持するためには、摂取した炭水化物や脂質がしっかりとエネルギーになることが重要です。牛乳には、このエネルギー代謝に欠かせないビタミンB群(ビタミンB1・B2・B6・B12やパントテン酸など)がバランスよく豊富に含まれています。
ビタミンB群は、代謝にかかわる酵素を助ける補酵素として働きます。たとえば、ビタミンB1は主に炭水化物が、B2は脂質が、B6やB12はアミノ酸がエネルギーになる時に必要になります。そして、ビタミンB群には、エネルギー代謝をサポートする以外にも、老廃物を排出して疲労回復を促進する効果も。
また、「ビタミンB1が炭水化物を代謝する時には、ビタミンB2が働きを助ける」「ビタミンB2が脂質を代謝する時には、ビタミンB6が必要になる」「パントテン酸はビタミンB1・B2・B6などとともに炭水化物・脂質・たんぱく質の代謝をサポートする」…というように、体内で互いに助けあって作用しているので、いっしょに摂るのが効果的。牛乳は効率よくビタミンB群を摂取するために、まさに理想的といえるでしょう。さらに、エネルギー源となるたんぱく質も同時に摂れますから、夏バテ防止におすすめです。
暑さに負けないカラダづくりに、ミルクとぜひ組み合わせたい食材
2 清涼飲料水やお茶の代わりに、牛乳で水分補給
「夏場は水分補給が大事!」と、清涼飲料水をガブ飲みしていませんか?糖分の多い清涼飲料水を飲み過ぎると、糖代謝のためにビタミンB1が失われ、夏バテの一因に。血糖値が上がって食欲不振をまねいたり、糖分の摂り過ぎでエネルギー過多になってしまうこともあります。
また、「暑いのでついビールを飲み過ぎてしまう…」という方も要注意。利尿作用があるので、飲んだ以上の水分が排出され、脱水症状になる心配が。それでは水やお茶なら?と思われるかも知れませんが、発汗で失われる栄養素は補いきれません。
それに、飲み過ぎると体内の塩分が減ってしまい、胃酸の分泌が低下して食欲がダウンしたり、胃酸が薄まって消化機能を弱めてしまうことも。その点、ビタミン・ミネラルやたんぱく質が豊富な牛乳は、夏の水分補給にぴったり。水やお茶の代わりに、ぜひ取り入れてみて。
3 旬の野菜+ミルクで、ヘルシーにクールダウン
キュウリやナス、ピーマン、トマトなど、みずみずしい夏野菜にはビタミンや水分が豊富。また、東洋医学的にカラダを冷やす作用があるものが多いともいわれています。
夏野菜をたっぷり食べることは、まさに理にかなっているのです。
夏野菜をたっぷり食べることは、まさに理にかなっているのです。
サラダにしてチーズをかけたり、ヨーグルトや牛乳を加えた冷製スープにすれば、ビタミンやミネラル、たんぱく質がいっしょに摂れて一石二鳥。
カラダのほてりも自然にクールダウンしてくれるはず。
また、繊維質が豊富な野菜は、適度な刺激をあたえて腸内環境を整えてくれるので、毎食欠かさず取るようにしたいですね。
カラダのほてりも自然にクールダウンしてくれるはず。
また、繊維質が豊富な野菜は、適度な刺激をあたえて腸内環境を整えてくれるので、毎食欠かさず取るようにしたいですね。
4 食欲がない朝も、牛乳やヨーグルトで手軽な朝食を
「規則正しい食生活は朝食から」とわかっているものの、夏の朝はなかなか食欲がわかないことも。そんな時でも、牛乳コップ1杯、ヨーグルト1カップくらいなら大丈夫では?
1日のはじまりに必要なエネルギーやたんぱく質、ビタミンを補って、弱りがちなカラダを元気づけてあげましょう。日中の代謝活動もスムーズにスタートします。
5 おなかの調子が悪い時は、あたたかいミルクメニューでいたわって
夏の胃腸は働きが鈍って弱りやすくなっています。調子がよくない時にスタミナをつけようと、トンカツやウナギなどこってりしたものを食べては、逆に負担をかけてしまうことも。かといって、お粥やそうめんだけではビタミンB群などの栄養が不足。
牛乳を使って野菜のポタージュを作ったり、ミルク粥にしたり。味がまろやかになって食べやすいうえに、消化も栄養バランスもよいので、胃腸をやさしくいたわってくれますよ。
さらにパワーアップ!夏のミルクテク
唐辛子などのスパイス、シソやショウガなどの香味野菜、酸味の利いたものを夏の食卓に。体力回復に効果的です。そしてこれらは、実はミルクとも好相性。暑さに負けないカラダづくりに、ぜひ取り入れてみてください。
シソや梅を使ったさっぱりした料理なら、シソがもつ独特の香味や、梅の酸味が食欲を刺激してくれます。さらに、疲労回復効果もありいいことずくめ。チーズと組み合わせてフライや和えものにすれば、少量でもさっぱり食べられる、たんぱく質たっぷりの夏バテ防止メニューに。
ショウガは新陳代謝を活発にして発汗作用を高める働きがあります。そして、代謝のもとになるたんぱく質を豊富に含んだ牛乳とは味の相性も抜群。ホットミルクにすりおろしたショウガを少し入れ、ハチミツなどで甘みをつけたジンジャーミルクなら、クーラーで冷えたカラダをやさしくあたためてくれます。
「スタミナ強化にはニンニク!」といわれるのは、アリインという成分がビタミンB1の吸収を促進するため。においが気になる人は、すりおろしてヨーグルトドレッシングに加えてみては?においが和らぐうえに、ヨーグルトの乳酸菌が腸の働きを活発にしてくれるので、消化機能が落ちる夏にぴったりです。
暑くなると、スパイスの利いたカレーなどが恋しくなりませんか? 唐辛子などのスパイスは、血行をよくしたり、独特の風味が食欲を増進して、消化を助けてくれます。カレーの仕上げに牛乳やヨーグルトをプラスすると、まろやかさが加わって、辛いのが苦手な方も食べやすくなりますよ。
ラクラク作れて元気復活! ミルクレシピのご紹介
暑くてなんとなく料理する気が起きなかったり、食欲がわかない…なんてことはありませんか? そんな時も、奥薗先生ならではの料理アイデア&テクニックをいかせば、夏バテ防止メニューが簡単に作れます。
今回は「料理は楽しくシンプルに」をモットーにしている家庭料理研究家・奥薗壽子先生が、夏バテ気味の時もサッと作れて、おいしく食べられるミルクレシピをご披露します。
今回は「料理は楽しくシンプルに」をモットーにしている家庭料理研究家・奥薗壽子先生が、夏バテ気味の時もサッと作れて、おいしく食べられるミルクレシピをご披露します。
エビとチンゲン菜のクリーム煮
カボチャの冷たいスープ
ミルクサワー
j-milk magazine ほわいと 2007夏号より