【おとなの食育】
忙しい人もミルクがいいね!

●おとなの食育 もっとミルクで健康生活

●おとなの食育(6/7)
忙しくて食事もままならない。そんながんばる人にこそ牛乳・乳製品を!
監修:吉川直美(管理栄養士)

忙しくなるとつい乱れがちな食生活

仕事や家事、子育てなど、毎日忙しくしていると、食事が不規則になったり、運動不足になったりしがちです。そして、食生活の乱れは、ずっと続くとカラダの不調の原因にもつながります。では、どのような状況が「乱れている」のでしょう?
  1. 食事の時間が不規則
  2. 朝食を食べない
  3. 夕食を午後9時以降に食べる
  4. 好きなものばかり食べる
  5. 食事のバランスが悪い
  6. ほぼ毎日お酒を飲む
  7. いろいろなサプリメントを飲む
いくつか思い当たる人は注意が必要です。
平成18年国民健康・栄養調査によると、「朝食を食べない人」は男女ともに20歳代でもっとも多く、男性は30.6%、女性は22.5%にもなります。また、「午後9時以降に夕食を食べる人」の割合は、平成9年の同じ調査にくらべ20歳代~60歳代で増加していて、もっとも多いのは20歳代男性です。さらに、午後11時以降に食べる人の割合も、20歳代男性の6.0%、30歳代男性の7.6%と報告されていて、忙しく働いている人たちの不規則な生活の実態が読み取れます。

カラダのリズムを整えるために1日3食

食生活の乱れが原因で起こる症状としては、以下のようなものがあげられます。
疲れやすい、だるいなどの不快感
  • 食欲低下
  • 風邪をひきやすい
  • よく眠れない
  • 肌荒れ
  • 便秘
これらのトラブルの蓄積は、メタボリックシンドローム、生活習慣病などを引き起こす原因にもなります。
そうならないために、まずは1日3食。自分の生活に合わせて決まった時間に食べられるといいですね。
朝食は、体温を上げてカラダを目覚めさせ、エネルギーを補給するための食事です。食べないと、脳やカラダを動かすためのエネルギーが不足するだけでなく、カラダが飢餓状態を感じてエネルギーを脂肪として蓄えやすくなるため、肥満の原因にもつながります。忙しくても、カフェオレやホットミルクなどのあたたかい飲みものとパンやごはんなどの主食は、最低限摂取するようにしましょう。
また、外食や市販の弁当では、ビタミンやミネラルが不足しがちです。牛乳や乳製品は、そのまま飲んだり、食べたりできるので、ビタミン・ミネラルの補給のためには強い味方です。さらに、野菜の煮物やサラダ、フルーツなどをプラスして、品数を増やすようにするといいですね。 

バランスのいい栄養補給源として牛乳が活躍

食生活が乱れて栄養がかたよると、活動に必要なエネルギーの量は満たされていても、効率よく代謝が行われないことがあります。栄養素は単独で働いているのではなく、それぞれがサポートしあい、互いに連携しあって働いています。食べなかったり、食品数が少なかったりすると、必要な栄養素が欠乏することに。
手軽に栄養補給できると人気のサプリメントですが、自分にはどんな成分が必要なのかを選ぶのは難しいものです。できるだけ食事で必要な栄養を摂取することが、健康への近道です。その点、牛乳なら必要な栄養を効率よく補えますし、手軽に飲めるので、便利なサプリ感覚で毎日の生活で活躍しそうです。 

3-A-Dayを実践しよう

平成18年国民健康・栄養調査の結果では、20歳以上のカルシウム摂取量は526mgでした。目標量は600mgなので、食事が不規則な場合には、なおさら注意が必要です。
忙しくて食事の管理がままならないという人におすすめなのが3-A-Day。3-A-Dayとは、牛乳・ヨーグルト・チーズをどれでも自由に1日3回、または3品、食生活に取りいれて健康によい食事を実践しよう、という食生活改善運動のこと。たとえば、牛乳コップ1杯(200ml)、ヨーグルトカップ1個(100g)、6Pチーズ1個(20g)で、3-A-Dayを実践することで、カルシウムの目標量を約80%カバーできるだけでなく、食事全体の栄養バランスも改善できます。
食事のメニューに加えるのはもちろん、のどが乾いた時や仕事の合間に牛乳を飲む、アルコールのおつまみにチーズを食べる、ヨーグルトをデザートに楽しむなど、できることからはじめてみませんか。 

疲れた時には牛乳・乳製品でリラックス

牛乳・乳製品に豊富に含まれるカルシウムは、骨や歯を形成するだけでなく、筋肉や神経の働きを正常に保つ働きもあります。そのため、気持ちを静め、疲れを癒す効果も期待できます。
また、牛乳にはいろいろな食べ方や飲み方がありますが、寒い季節には、なんといってもホットミルク。カラダを中からあたためて、リラックスさせてくれます。たとえば、抹茶ホットミルクにすれば、牛乳には少ないビタミンCの摂取ができるので、風邪の予防にもひと役かってくれます。また、食物繊維が豊富なきな粉を加えたり、おろしショウガを加えたり、いろいろなバリエーションが楽しめます。
忙しさに追われる生活の中にこそ、ミルクのやさしさを上手に取り入れていきたいですね。 
3-A-Day(スリー・ア・デイ)については日本乳業協会のサイトをご覧ください。

今日からみんなで始めよう!3-A-Day


ほわいと(2008冬)より