ほうっておけない。成長期のこどもの骨事情。
楽しいイベントが盛りだくさんのこの季節。
夏休み、花火大会、海水浴など、こどもたちにとって身も心も大きく成長する時期ですね。
でも、つい夜更かししてしまったり、暑さに負けて家でゴロゴロ、ゲームをして過ごしたりと、こどもたちの生活習慣は乱れているのです。
そんな状態では、骨がしっかりと成長できない危険性も!?
成長期に骨をつくっておくことは、一生の健康づくりにつながります。
こどもたちのすこやかな未来のために、丈夫な骨づくりについて考えてみませんか?
夏休み、花火大会、海水浴など、こどもたちにとって身も心も大きく成長する時期ですね。
でも、つい夜更かししてしまったり、暑さに負けて家でゴロゴロ、ゲームをして過ごしたりと、こどもたちの生活習慣は乱れているのです。
そんな状態では、骨がしっかりと成長できない危険性も!?
成長期に骨をつくっておくことは、一生の健康づくりにつながります。
こどもたちのすこやかな未来のために、丈夫な骨づくりについて考えてみませんか?
小中学生のこどもをもつお母さんに聞いてみました 「こどもたちの食生活で思い当たることは?」
こどもの頃から徐々に乱れはじめる食生活
ほわいとでは、こどもの食生活の実情についてお母さんにアンケートを実施。食生活の乱れは全体数にすると、まだ顕著ではありません。しかし結果を細かくみてみると、「朝食を食べない日がある」と答えたのが、小学生の場合8.2%なのに対し、中学生では21.2%に増加します。「ダイエットを気にしている」と答えたのが小学生の場合13.9%なのに対し、中学生では25.0%に上昇。また食べ物の好き嫌いについては中学生の4割以上が「多い、やや多い」と感じているようです。このように、年齢が上がるほどこどもたちの食生活は乱れていくのが実情です。
骨づくりの基本。こどもの頃からの食生活が大事
食生活の乱れは、成長するカラダにも、そして骨づくりにも大きく影響しています。10代は、人生において一番骨量が増加する、丈夫な骨づくりのためにとても重要な時期です。だからこそ、食生活の乱れに早いうちから気づいて改善していきたいもの。骨は、すこやかなこどもの成長を支えるだけでなく、一生の健康を支えるカギ。骨づくりに必要な栄養素をしっかり摂りながら、バランスのよい食生活を心がけましょう。
考えなくちゃ!こどもたちの骨づくり環境
こどもの骨折が増えている!
ここ20年でこどもの骨折率が1.5倍以上に。
昔にくらべ、こどもの骨折が増加していることがわかりました。ここ20年で小中学生の骨折率が1.5倍以上も上昇。これはこどもたちの骨が以前より弱くなっているということ。将来的な骨折のリスクの可能性も考えると、こどものうちから丈夫な骨づくりに取り組んでおきたいものです。
昔にくらべ、こどもの骨折が増加していることがわかりました。ここ20年で小中学生の骨折率が1.5倍以上も上昇。これはこどもたちの骨が以前より弱くなっているということ。将来的な骨折のリスクの可能性も考えると、こどものうちから丈夫な骨づくりに取り組んでおきたいものです。
運動不足のこどもたち
1週間の中で、ほとんど運動をしない女の子が増加中。
全国の小学5年生と中学2年生を対象に文部科学省が行った「平成20年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果について」によると、運動しないこどもが増えてきていることが明らかになりました。特に、中学生(女子)は、1週間の中で、運動をほとんどしない生徒が多数という結果に。
全国の小学5年生と中学2年生を対象に文部科学省が行った「平成20年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果について」によると、運動しないこどもが増えてきていることが明らかになりました。特に、中学生(女子)は、1週間の中で、運動をほとんどしない生徒が多数という結果に。
こどもの骨づくりを見守るお母さんに聞いてみると…
こどもの丈夫な骨づくりのために心がけていることは?(複数回答)
1位 バランスのよい食生活を心がけている・・・72.4%
2位 規則正しい食生活を心がけている・・・・・69.4%
2位 睡眠をしっかり取らせるようにしている・・69.4%
4位 牛乳、乳製品を取るようにしている・・・・64.2%
5位 運動をさせるようにしている・・・・・・・49.3%
2位 規則正しい食生活を心がけている・・・・・69.4%
2位 睡眠をしっかり取らせるようにしている・・69.4%
4位 牛乳、乳製品を取るようにしている・・・・64.2%
5位 運動をさせるようにしている・・・・・・・49.3%
冷蔵庫にいつも牛乳が入っている
食生活や生活リズム、そして牛乳・乳製品を取らせたいと考えているお母さんが多いようです。実際に約9割の家庭に牛乳が常備されている様子。身近なところに牛乳のようなカルシウム源があることはとても大切です。ぜひ常備するよう心がけましょう。
骨はカラダづくりのカナメ!
骨は、私たちのカラダを形成するうえで、とても重要な役割をもちます。
でも、実際どんなものなのか知らないという人も多いのでは?
そこで、骨に関する基礎情報を数字やキーワードでご紹介。
丈夫なカラダをつくる大切な骨について、しっかり学んでいきましょう。
でも、実際どんなものなのか知らないという人も多いのでは?
そこで、骨に関する基礎情報を数字やキーワードでご紹介。
丈夫なカラダをつくる大切な骨について、しっかり学んでいきましょう。
赤ちゃんの骨は約350個。軟骨も多く、成長するとともにたがいにまとまり、成人では206個(個体により異なる場合があります。)になります。この癒合が完了するのが、男性で約18歳、女性で15~16歳といわれています。骨の役割は、脳や内臓などの器官を保護すること、骨組織としてカラダを支えること、カルシウムを貯えることの3つ。骨はカラダを形成するうえでとても重要な臓器なのです。
人のカラダの中で、骨は歯の次に硬い組織といわれています。その主成分はカルシウム、リン、水や、たんぱく質の一種であるコラーゲンなど。構造は、コラーゲン繊維が網目状に張り巡らされ、その中にリン酸カルシウムがびっしり含まれています。また、カラダのカルシウムの98%が骨にあるため、カルシウムの摂取量が不足すると、骨から補われていきます。
骨には、骨をつくる「骨芽細胞」と、骨を破壊する「破骨細胞」の2種類が。常に古い骨は破壊され、新しい骨がつくられ、骨は強さを保っています。この仕組みを骨のリモデリング(再構築)といいます。骨折しても治るのはこのリモデリングの仕組みのおかげ。成人の場合、1年で約20%の骨が入れ替わり、3~5年で全身の骨が生まれ変わります。
骨粗しょう症とは、骨量が極端に減って骨がスカスカ状態になり、骨折しやすくなる病気です。年齢を重ねるほどかかりやすいという特徴が。しかし近年、若いうちから骨粗しょう症に近い状態になる人も多いようです。その原因はカルシウム不足。骨は成長期につくられています。こどものうちからカルシウムをしっかり摂って、貯えていくことが大切ですね。
年齢を重ねるにつれて骨量が減少し、骨粗しょう症になる可能性が高まります。骨粗しょう症が原因で、ちょっとしたきっかけで骨折し、そのまま寝たきりになるケースも増えています。さらに、骨折後は余命が短くなるというデータもあります。
カルシウムを効率よく骨に取り込むためには運動が不可欠。運動により新陳代謝が高まり、骨芽細胞も活発に働き骨が増加します。また、骨に負荷をかけることで骨がたわみ、曲がった骨の外側がプラスに、内側がマイナスに帯電し、マイナスの部分が血液中のCa++を引きつけ骨への沈着を促します。
丈夫な骨は、一生もの!!
こどもからおとなにかけて、骨づくりのポイントはそれぞれ違います。そこで、年代ごとに気をつけたいポイントをご紹介。
また骨粗しょう症は女性の方が多いので、気をつけるようにしましょう。
また骨粗しょう症は女性の方が多いので、気をつけるようにしましょう。
ほねぶとCafe 毎日コツコツ!カルシウム摂取で骨元気。
丈夫な骨のカギとなるカルシウム。毎日の食事から、しっかり、そしておいしく摂ることが大切なのよ。
とはいえ、カルシウムは吸収率が低く、たくさん摂ったからといって、すぐに骨が強くなるわけではないの。
そこでカルシウムとの相性ぴったりの栄養素をご紹介。
上手に栄養素を組み合わせることで、より効率的にカルシウムを摂り入れることができるわ!
とはいえ、カルシウムは吸収率が低く、たくさん摂ったからといって、すぐに骨が強くなるわけではないの。
そこでカルシウムとの相性ぴったりの栄養素をご紹介。
上手に栄養素を組み合わせることで、より効率的にカルシウムを摂り入れることができるわ!
牛乳はゴクゴクと、手軽に飲めるカルシウム源。
牛乳コップ1杯(200ml)で1日に必要なカルシウム量の約1/3を摂取できます。夏の水分補給にもおすすめです。
料理に使えば、いつもの食事が骨太レシピに。
料理に牛乳・乳製品を加えるだけで、簡単に骨太レシピに大変身。さらに栄養バランスもぐんっとアップします。
吸収率にすぐれた牛乳のカルシウム。
カルシウムの吸収率は食品によって異なります。牛乳の場合は40%と高く、効率的にカルシウムを摂取することができます。
■監修 太田 博明(おおた・ひろあき)さん
東京女子医科大学 産婦人科 主任教授。1970年慶應義塾大学医学部卒業。1977年慶應義塾大学伊勢慶應病院産婦人科医長。1978年東京電力病院産婦人科副科長。1980年米国ラ・ホーヤ癌研究所訪問研究員。1990年慶應義塾大学産婦人科診療医長。1991年慶應義塾大学産婦人科専任講師。1995年慶應義塾大学産婦人科助教授。2000年より東京女子医科大学産婦人科主任教授。日本骨粗鬆症学会、日本骨形態計測学会、日本更年期医学会、日本女性心身医学会、日本抗加齢医学会の各会長を歴任。著書に「骨粗鬆症—骨折・寝たきりを防ぎ、元気で長生きするために」(レディースクリニックシリーズ)、「男と女でこんなに違う生活習慣病」(講談社+α新書)などがある。
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j-milk magazine ほわいと 2009夏号より