2021年の世界の食料貿易額は過去最高に
FAO「食料アウトルック」、2021年の生乳生産量を1.5%増加と予測、乳製品貿易量を4.2%増加に修正
国連食糧農業機関(FAO)は、世界の農産物需給などの概況を見通す「食料アウトルック(Food Outlook)」報告書を毎年2回公表している。11月11日に公表された最新号では、食料品の国際的な取引価格と輸送費の上昇が原因で、2021年の世界の食料貿易額は過去最高となることを予測している。乳・乳製品の市場動向として、2021年の世界の生乳生産量は2020年比1.5%増の 9億2800万トンに達すると予測し、アジアと北米を中心にすべての地域で生産量の拡大が見込まれるとしている。また世界の乳製品貿易量は、2021年には4.2%増の約9000万トン(生乳換算)になると予測している。これは主に粉乳とホエイの輸入増加が予想される中国が牽引するとしているが、ここ数ヶ月は中国では国内生産量の増加と消費者需要の低迷により輸入量の伸び率は鈍化していることも伝えている。報告書のうち乳・乳製品の市場動向とニュースリリースの概要を以下に紹介する。