EUの乳製品は高水準の価格、減少基調の民間在庫量で推移(2022/1/26)
欧州委員会「牛乳乳製品市場観測サイト」2021年12月会合報告より

EUの乳製品は高水準の価格、減少基調の民間在庫量で推移

欧州委員会「牛乳乳製品市場観測サイト」2021年12月会合報告より

欧州委員会が開設している「牛乳乳製品市場観測サイト(Milk Market Observatory = MMO)」の経済委員会12月会合が、ビデオ会議方式で開かれた。同会合の報告書では、EUの2021年1~9月の 生乳生産量は前年の水準をわずかに上回ったこと(閏年の調整により+0.3%の微増)、世界の主要輸出国・地域での生乳生産は2021年9月には減速したものの2021年1~9月でみると0.8%増加となっていること、EUでは庭先乳価に加えて特に乳製品価格が高い水準にあることや、乳製品の民間在庫量は減少基調が続いていることなどを伝えている。同報告書は、EUでは酪農家の戸数は減少している一方で若手酪農家の比率が上昇していることも報告している。今後、新型コロナの新規変異株による新たな規制や、資材コスト増、物流などサプライチェーンの課題などに警戒が必要としている。日本では年末年始にかけて懸念された処理不可能乳の発生は、酪農家による生乳の出荷抑制や乳業メーカーによる最大限の乳製品向け処理などの酪農乳業が一丸となった取り組み、生乳需給状況がメディアで報じられたことを受けて広がった消費者からの応援や小売り・流通業者の消費拡大の輪、さらに岸田首相による牛乳消費の呼び掛けや農水省をはじめ行政の取り組みによって回避することができたが、欧州では違った状況があったようだ。以下に報告書の要約を紹介する。(読みやすさを考慮し、Jミルクで小見出しなどを補った)

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