2022年の世界の生乳生産量を過去20年で最も低い0.6%増と予測、乳製品貿易量は3.4%減に(2022/12/7)
FAO「食料アウトルック」2022年11月号より

2022年の世界の生乳生産量を過去20年で最も低い0.6%増と予測、乳製品貿易量は3.4%減に

FAO「食料アウトルック」2022年11月号より

国連食糧農業機関(FAO)は、世界の農産物需給などの概況を見通す「食料アウトルック(FoodOutlook)」報告書を毎年2回公表している。11月 11日に公表された最新報告では、乳・乳製品の市場動向については、2022年の世界の生乳生産量が、過去20年間で最も低い伸び率である2021年比0.6%増の9億3000万トンとなると予測している。これは、生乳生産が、アジアを中心に増加する一方、欧 州連合(EU)、オセアニアで減少するためである。また世界の乳製品貿易量は、2022年には2021年の高水準から3.4%減少の約8500万トン(生乳換算)になり、約20年ぶりに減少すると予測している。これは4月から中国の輸入が15%減少したことが主な要因であるが、加えて、今後、ニュージーランド、EU の輸出が急激に減少する可能性があるとしている。
なお、2022年の世界の食料貿易の全体額は、食料価格の上昇と米ドルに対する通貨の下落を受けて増加のペースが鈍化するものの、2021年の水準から10%増加し、過去最高となると予測している。価格上昇が、輸入国の購買力、ひいては輸入食料の量を圧迫し、世界の市況は多少緩和されているものの不確実性は高まっていると指摘している。
以下では、報告書の中から、乳・乳製品の市場動向とニュースリリースの概要を紹介する。

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