豪州での牛乳乳製品の小売価格上昇の動きとその要因（2022/12/14）

オーストラリアの消費者は、現在、牛乳乳製品の小売価格の30％もの上昇に直面している。原材料やエネルギーの価格が世界的に高騰する中、豪州国内では生乳生産量の減少によるメーカーの集乳競争の過熱、生産コストの上昇、物流の混乱、労働力不足の深刻化などが絡み合い、小売価格に上昇圧力がかかっている。すでに年間で10％を超える値上げが実施されている中で、直近では生乳生産量の7割以上を占める南東部で豪雨による洪水が発生し、広い範囲で壊滅的な被害が出たことも追い打ちをかけている。かつては、8年間にわたり価格上昇が見られず、「物価の優等生」だったオーストラリアの牛乳乳製品。最近の急激な価格上昇の背景を追う。