懸念材料は多いものの世界の牛乳乳製品市場は概ね安定する見通し
欧州委員会「牛乳乳製品市場観測サイト」2022年12月会合報告より
欧州委員会が開設している「牛乳乳製品市場観測サイト(Milk Market Observatory=MMO)」の経済委員会12月会合がビデオ会議方式で開かれた。同会合の報告書では、EUの近況として、①2022年1~9月の生乳生産量は前年同期比0.4%減少したこと、②庭先(牧場出荷)乳価は2021年1月以降上昇を続けていること、③乳製品価格は品目によって低下がみられるが依然として高水準にあること、④消費者マインドに回復の兆しもみられることなどを報告している。また、世界の近況として、主要乳製品輸出国・地域では、2022年1~9月の生乳生産は前年同期比0.9%減少したものの、9月のみでみると生乳生産は増加したことも指摘している。米国は酪農生産を緩やかに拡大させ、世界市場での存在感を増しつつある。さらに報告書は、天然ガスの入手可能性、エネルギー価格、投入コスト高(飼料、肥料)、環境上の制約、食品の高インフレに対する消費者の反応など、懸念材料は多いものの、世界市場の見通しは概ね安定しているようだとしている。以下に報告書の要約を紹介する。(読みやすさを考慮し、Jミルクで小見出しなどを補った)