牛乳乳製品市場はかろうじて均衡、今後の生産と需要の動向に注目（2023/4/19）
欧州委員会「牛乳乳製品市場観測サイト」2023年3月会合報告より

欧州委員会が開設している「牛乳乳製品市場観測サイト（Milk Market Observatory=MMO）」の経済委員会3月会合がビデオ会議方式で開かれた。同会合の報告書では、EUの近況として、①生乳生産量は1月まで5ヶ月連続で前年同月を上回ったこと、②庭先（牧場出荷）乳価は2022年12月にピークを迎えて以降は下向きであること、③平均乳製品価格は低下しているものの、依然として高水準にあること、④消費者は食品インフレの影響で値段が低めの特売品などを選んでいることなどを報告している。また、世界の近況として、主要乳製品輸出国・地域では、2022年9月以降は生乳生産が回復していることも指摘している。EUでは酪農経営の収益性の改善が直近でみられており、マクロ経済の見通しは改善しているが、2月から3月にかけて微妙な需給バランスの上にあり脆弱な牛乳乳製品市場については、今後、生乳生産の伸びが引き続き緩やかで需要に回復力があれば、現状のバランスが維持され安定してくるだろうとしている。以下に報告書の要約を紹介する。（読みやすさを考慮し、Jミルクで小見出しなどを補った）