2023年の世界の生乳生産量を1.3%増、乳製品貿易量を1.0%減に修正(2023/12/06)
FAO「食料アウトルック」2023年11月号より

2023年の世界の生乳生産量を1.3%増、乳製品貿易量を1.0%減に修正

FAO「食料アウトルック」2023年11月号より

国連食糧農業機関(FAO)は、世界の農産物需給などの概況を見通す「食料アウトルック(Food Outlook)」報告書を毎年2回公表している。11月10日に公表された最新報告では、2023年の世界の生乳生産量を、前年比1.3%増の9億5000万トンとなると予測し、前回6月の報告から上方修正した。生乳生産量の増加は、アジアや南米などで個体乳量と乳牛頭数が引き続き増加していることによる。一方、世界の乳製品貿易量は、2023年には前年から1.0%減少の約8400万トン(生乳換算)となり、約20年ぶりの減少となった前年に続き減少を予測し、6月の報告から下方修正した。これは中国での国内生産の増加と輸入乳製品の在庫増加などを背景にしたアジアにおける輸入減少が主な要因となっている。一方、世界的な輸入需要の減少と価格の下落により、輸出国の一部からの出荷が減少する可能性があるとしている。
主要な食料の生産の見通しは良好であるものの、地球温暖化による異常気象、ウクライナ戦争や地域紛争による地政学的緊張の高まり、急激な政策変更は、世界の食料生産システムにリスクをもたらし、需給バランスの僅かな変化によって、貿易と世界の食料安全保障の見通しに悪影響が及ぶ可能性があるとしている。
以下では、報告書の中から、乳・乳製品の市場動向とニュースリリースの概要を紹介する。

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