ニュージーランドの気候変動対策と酪農乳業
家畜などからのメタンの排出削減をめぐる最近の動き
今年6月、ニュージーランド(NZ)の連立政権は、排出量取引制度(ETS)から農業を除外するという選挙公約の実現のため、2002年気候変動対応法の改正案を議会に提出することを発表した。また、家畜などからの生物由来のメタンの排出削減に取り組むため、これまでの官民パートナーシップを解散し、新たに業界団体主導のワーキンググループを設立することも発表した。NZは気候目標に分割ガス(split gas)手法を採用しており、生物由来のメタンは2017年の水準から2030年までに10%削減、2050年までに24~47%削減し、二酸化炭素など他の温室効果ガス(GHG)は2050年までにネットゼロに削減するとしている。本稿では、NZでの生物由来のメタンの排出削減をめぐる動きを中心に、NZで伝えられたデンマークの報道についても取り上げる。