研究レポート「飲用牛乳消費動向 - 少子・高齢化の進展のなかで」に示された 牛乳消費構造に関する革新的知見について

研究レポート 「飲用牛乳消費動向—少子・高齢化の進展のなかで」の主題は、わが国における牛乳消費の構造的な特徴と変化を、コウホート分析(*1)の手法で精緻に解明することにある。
本レポートは、牛乳消費に係る次の三つの重要な情報を研究成果として提供している。
●わが国の年齢別牛乳消費量とその経年変化(2p~)
1980 年代に若年齢層と高年齢層の牛乳消費量が逆転し最近ではその傾向がさらに強まっており、また、加齢による牛乳消費量の変化が戦前・戦中生まれと戦後生まれでは全く異なっていることが明らかとなった。
●コウホート分析による牛乳消費規定要因の計量化(4p~)
牛乳の消費行動に影響を与える3 つの社会的効果(年齢効果、時代効果、世代効果)が定量的に推計され、その中で、2003~07 年の間の牛乳消費量の変化に、年齢効果、世代効果、さらには経済的要因では説明できない何等かの重要な環境変化があったことが明らかとなった。
●コウホート分析結果を活用した今後の牛乳消費量の予測(6p)
2010~20 年までの10 年間で、一人当たりの平均家庭内牛乳消費量は約9%減少することが予測された。
詳細は添付ファイルをダウンロードしてご覧ください。

*1 コウホート分析とは
時系列の様々なデータから、その変化の要因を世代効果、年齢効果、時代効果という3 つの要因に分離して、その違いを読み解く手法。特定の世代に愛好されるものが加齢とともにどのように市場に影響を与えるのか、社会の変化が市場にどう影響するのか等を探ることができ、将来予測も可能となる。なお、コウホート(Cohort)の起源は古代ローマ軍団の単位を表す言葉で、人口統計学では「出生をほぼ同時期にする人口集団」と定義されている。
2013年2月6日

研究レポート「飲用牛乳消費動向—少子・高齢化の進展のなかで」に示された 牛乳消費構造に関する革新的知見について

平成2 5 年2 月6 日
社団法人日本酪農乳業協会

飲用牛乳消費動向—少子・高齢化の進展のなかで

森 宏:専修大学名誉教授
三枝義清:元東京都立大学統計学教授