Jミルクにおいて2022年6月に実施した調査結果です。
Jミルクでは、
①わが国における牛乳乳製品の価値向上を推進し、戦略の構築と改善を行うための基本情報を得ること
②Jミルクのマーケティング関連事業の効果検証の基礎とすること
を目的に、2012年度から「牛乳乳製品に関する食生活動向調査」を継続して実施しています。
コロナ禍の初年度であった一昨年、牛乳乳製品は、巣ごもり需要により家庭内消費において盛り上ったものの、昨年はその反動や行動制限等の解除もあって、その消費は落ち着きを見せました。
牛乳乳製品統計(農林水産省)では、直近の、観光地やオフィス街、繁華街等での人出の回復を反映して、業務用消費は一定程度伸びていることが確認されますが、全体として牛乳類の消費は盛り上がる状況にまで至っていません。
また、家計調査(総務省)における家計支出によれば、牛乳乳製品に対する支出額は今年の3月から前年をかなり下回る傾向にあり、春先から初夏にかけての牛乳類の消費は、コロナ禍前の水準を大きく下回る低調な状況が続きました。
昨年来、電気料金、輸入原料等に影響される食品、資材、日用品などを含めて、相次いで値上げが公表されるなかで、牛乳類については、価格改訂がなされていません。一方で、こうした物価高が生活者における消費マインドに影響を与えていることは間違いないと推察されます。
この度、牛乳類の消費低迷の実態を明らかにするため、生活者に対する緊急調査を実施しました。今後、ウイズコロナ・アフターコロナにおいて、業務用需要の回復だけでなく、インバウンド需要の回復にも期待したいところですが、本調査により、物価高の影響が消費者の購買行動にどのように影響しているのか、今後の牛乳類の消費動向と消費喚起策を考える興味深い論点が得られているものと考えます。本調査の結果が、業界関係者の事業推進の一助となれば幸いです。
調査手法
インターネットを活用した、消費者パネルに対するアンケート調査
◆調査時期
2022年6月3日(金)~ 6月5日(日)
◆対象属性
全国の15歳~70歳代の男性・女性
◆サンプル数
5,000ss
◆割付
国勢調査の人口構成データなどを参考に、性別、年代別、地域別で割付
報告内容
- 牛乳利用の減少意識/増加意識の推移
- 牛乳の利用が減少した人における減少前と現在での消費動向比較分析
- 牛乳の利用が減少した人と増加した人の消費意識(利用変化の背景にあるもの)
- 牛乳の利用が減少した人と増加した人における変化の理由(自由回答)
- 総括と今後の展開