第16回 ビオ乳の一日(3) -みんなで朝食を食べよう 前編-

連載コラム ミルクの国の食だより

コラム、「ミルクの国の食だより」の第16回をお送りします。
第15回に続き、2014年の「ビオ乳の日」のレポートです。地域密着型のイベントは、どのように開かれたのでしょうか。そして、いよいよビオ朝食のご紹介です。

82の有機牧場が参加

2014年の”la Fête du lait bio(ビオ乳の日)”は、フランス全土でちょうど半分にあたる11地域圏(アルザス、オーベルニュ、ブルターニュ、シャンパーニュ=アルデーヌ、ミディ=ピレネー、ノール=パ・ド・カレー、バス=ノルマンディ、ペイ・ド・ラ・ロワール、ピカルディ、ロレーヌ、ローヌ=アルプ)において、各地域圏の有機農業連盟(Fédération nationale d’agriculture biologique des régions de France: FNAB)の主催で開催されました。
合計82箇所の牧場で、ビオの朝食が振舞われることに。

牧場はリヨンから車で30分

さて、6月1日、日曜日。この日は、朝から天気もよく絶好の行楽日和。
リヨンがあるローヌ=アルプでは、8箇所の牧場でビオの朝食が食べられるそう。
本来なら前日までに予約を済ませておかなければならなかったのを、当日になって電話をしてみたところ快く歓迎してくれました。
おなかを空かせていざ出発!
向ったのはリヨンから南西約40km、ロワール県のサンジョセフという小さな町にあるリウさんの有機畜産牧場。
車で30分ほど行っただけで、空気が澄んでいて風通しもよく、ここ最近リヨンで多かった大気汚染がうそのような清清しさです。
■田園風景が広がるサンジョセフの町
牧場に着くと、近隣地域からはもちろん、リヨンのナンバープレートを付けた車が何台も停まっていました。
フランスでは週末やバカンスには都市より田舎で過ごす人が多いというのも頷けます。
さっそく、受付で朝食料金(5€+カフェオレボール代1.5€)を払い、会場へ。
中からカントリー風なギター演奏が聞こえてきます。
子牛小屋のとなりにある屋根つきの広いスペースが朝食会場。予想以上に、たくさんの人が食事をしていました。
■家族連れや友人らと牧場を訪れ、ビオの朝食を楽しむ人々

ビオの朝食

受付で渡されたカフェオレボールを手に、食べたい朝食を取りに行きます。
とれたての食材で作った美味しそうな料理は、それぞれの生産者が配食してくれました。
トレーに入りきらないほどのビオの朝食。もちろん、おかわりもOKです!
すべてが自家製で農家直送。正真正銘の地産地消、フードマイレージほぼゼロ。
しかも青空のもと、みんなで分け合う朝食はいっそうおいしい!
■スモークしていないナチュラルなベーコン、小ぶりな牛のミルクのチーズ
■産み立ての卵で作った目玉焼き
■朝食のトレー
■たくさんの人が来て牛もびっくり?!
※このテーマは次回に続きます。お楽しみに。
管理栄養士 吉野綾美
1999年より乳業団体に所属し、食育授業や料理講習会での講師、消費者相談業務、牛乳・乳製品に関する記事執筆等に従事。中でも学校での食育授業の先駆けとして初期より立ち上げ、長年講師として活躍。2011年退職後渡仏、現在フランス第二の都市リヨン市に夫、息子と暮らす。