第22回 味の発見、チーズとパンのマリアージュ-2

ミルクの国の食だより 連載一覧

コラム、「ミルクの国の食だより」の第22回をお送りします。
前回に続き、フランスのチーズとパンについて。お待ちかねの試食タイムは、チーズ+パンのおいしいヒントが満載です。

「UMAMI」は世界共通語?

さて、おまちかねのチーズとパンの味のアトリエ。
フランス全国酪農経済センター(CNIEL)主催、講師はフリー栄養士のイザベルさん。 
-チーズは、「甘味」「塩味」「酸味」「苦味」の4つの基本の味に加え、時間を置いて発酵させたチーズを素晴らしいものに変える第5の味「うま味」をもつ食品です。そしてこの「UMAMI」の存在を世界で最初に発見したのは日本の研究者なんです-
とのお話し。
■講師のイザベルさんは栄養士。具体的な例をあげての解説でわかりやすく、惹き込まれます

白カビタイプのサン・フェリシアン -Le Saint-Felicien-

そして今回の試食に登場したのが4種類のチーズとパン。
■試食したのは4種類のチーズ
手前中央から時計まわりで、サン・フェリシアン、ブルードゥジェックス、コンテ、マンステール
1.サン・フェリシアン -Le Saint-Felicien-
軟質の白カビタイプでリヨンの西側に位置する街の名前に由来するチーズ。もともとはヤギ乳だったのが、今は牛乳から作られているそう。
「では、すぐに食べないでまずは匂いから味わいましょう」
と、イザベルさん。
皺々の外観、うっすらと白カビをまとった表皮からシャンピニオン(きのこ)の匂いとミルクの香りが漂っています。
見た目の印象では、自分では選ばないタイプのチーズ。香りはよいです。口に入れるとクリーミーで、最初は強い塩味を感じますが、後から苦味、酸味が追いかけてきます。ミルクの風味が強いです。

ごまのバゲットでいっそうおいしく!

このサン・フェリシアンに合うのがゴマのバゲット。チーズといっしょに食べてみると。。。あら、不思議!
さっきまで強すぎると感じたミルクの香りが、バゲットにぴったり。
ローストされたごまの香ばしさも相まって塩味とともにほどよく中和され、これは美味しい。
「バゲットの外側のカリカリとした食感が、クリーミーなサン・フェリシアンの質感と合い、パンの内側の柔らかさがチーズの新鮮さを際立たせます」と、イザベルさん。
うん、これは間違いなくパンといっしょが断然美味しい!と、私は思いましたが、12人の参加者中、パンといっしょの方が好きと答えたのが4人、チーズだけの方が好きと答えたのが4人、どちらも好きと答えたのが4人でした。
多民族国家でもあるフランス、チーズの好みも様々、面白いです。
■熟成したサン・フェリシアンはとろりとクリーミー。カリカリとした食感のゴマのバゲットがよく合います
※このテーマは次号に続きます。お楽しみに。
管理栄養士 吉野綾美
1999年より乳業団体に所属し、食育授業や料理講習会での講師、消費者相談業務、牛乳・乳製品に関する記事執筆等に従事。中でも学校での食育授業の先駆けとして初期より立ち上げ、長年講師として活躍。2011年退職後渡仏、現在フランス第二の都市リヨン市に夫、息子と暮らす。