第七話　日本人が牛乳を飲み始めたのはいつ？の巻

日曜日、今日の朝食もパンケーキ、愛ちゃんも自分でホットプレートに生地を流して上手に焼けるようになりました。

焼けたものをおばあちゃんのお皿に乗せてあげたら、
 

「ありがとう。お友達に話したら、うらやましいって言われたよ。原宿とか鎌倉とかパンケーキのお店が流行っているんだってね。」

「僕もテレビでこの前見たよ。行列してた。」と元気くん。

お母さんが「今日のパンケーキはちょっと秘密があるのよね！分かった人？愛ちゃん、まだ言っちゃだめよ。」「フフフ、うん、わかってる。」

「そういえば、いつもより、フワッとしてるかな？」とお父さん。

「パンケーキだけ食べてみるよ。ちょっと甘い香りがするネ。」

「わぁ、元ちゃんスゴイ。お母さんに教えてもらって溶かしたアイスクリーム入れたの。」

「あら、もう言っちゃった。試してみたかったのよ。牛乳と卵と砂糖でできたアイスクリームを入れると美味しくなるって聞いて。いろいろなフレーバーのアイスを使って蒸しパンを作るのも美味しいんだって。今度やってみようね。」

元気くんは「パンケーキはいつものアッサリの方が僕はいいな。」

甘いものが好きなおばあちゃんは「私はこっちが好みだね」と意見が分かれました。

楽しい朝食の時間は続きます。

「じゃ、今度は僕がクイズを出すよ。アイスクリームは日本のどこで初めて売られたでしょうか？」

「えー、わかんない」「お父さんも知らないな」頼みの綱はお母さん。

「知ってました。明治時代の初めに横浜の馬車道というところで売られたの。」

「正解！横浜が開港して西洋の文化が入ってきたんだよね。」

「元ちゃん、物知りだねぇ！」とおばあちゃん。

「この前、横浜に行って聞いたんだよ。資料館があるんだ。」

「愛も行ってみたいな。じゃ、牛乳も明治時代に飲まれるようになったの？」

「いいえ、牛乳はそれよりもっとずっと前に飲んでいた時代があったの。でも庶民の口に入るようになったのは牧場が東京や横浜にできた明治時代からネ。」

「ということは、もっと前からなんだ。」

元気くんは、日本の牛乳の歴史がそれほど長いとは思っていませんでした。

「飛鳥・奈良時代、西暦645年、今から1370年前ネ。朝鮮半島から来た人が天皇に献上したのが最初と記録に残っているの。」

「難しいけど、ずっと大昔なのね。」と愛ちゃんも驚いています。

「ええ、牧場があちこちに作られて、牛乳を煮詰めて作った乳製品を税金として国に納めていたそうよ。その後の平安時代には皇族や貴族の間で牛乳が飲まれて、なんと天皇、皇后、皇太子の3人で1日に牛乳を2.3リットルも飲んでいたんですって。」

「すご～い」と皆で感心。

「でも朝廷の勢力が弱くなって武士の時代になると牛乳は飲まれなくなってしまったの。仏教が伝わったことも理由と考えられているわ。」

「武士の時代は鎌倉時代や江戸時代だよね。」とお父さん。

「例外もあるの。元気もテレビの時代劇で見たことあるでしょ。水戸黄門と言われた徳川光圀は牛乳を好んで飲んでいたそうよ。」歴史好きのお母さんの話が止まりません。

「水戸で黄門さまの食べていたお料理を再現した食事が食べられるのですって。白牛酪という牛乳を煮詰めて作った乳製品があったそうで、それも食べられると聞いたわ。」

「そんな昔に牛乳を使った料理があったんだな。」お父さんも興味津々。

「愛、思い出した。飛鳥ってどっかで聞いたことがあるって思ったの。冬の寒い時に飛鳥鍋を食べたよネ。」

「牛乳の鍋だったね。」元気くんも思い出しました。

「飛鳥時代に食べられていたわけではないけど、奈良県の飛鳥地方の郷土料理よ。

また皆で食べましょうネ。」

＊横浜開港資料館

http://www.kaikou.city.yokohama.jp/index.htm　（リンクはトップページ、よこはま事始め）

＊日本乳業協会
　アイスクリームの歴史
　https://www.nyukyou.jp/dairy/index.php?rm=4&qa_id=454
　牛乳の歴史
　https://www.nyukyou.jp/dairy/index.php?rm=4&qa_id=487

＊Jミルク
　日本の牛乳の歴史
　https://www.j-milk.jp/findnew/chapter2/0102.html
　
カップケーキ　参考記事　クックパッドのサイトへ
http://cookpad.com/articles/3299
http://cookpad.com/recipe/3049690