コラム、「ミルクの国の食だより」の第82回をお送りします。前回に続き、ミルクデザートの話題です。フランス人にとって、食後には冷たいデザートが欠かせないようです。
冷製ミルクデザート
フランスの家庭料理として普及した伝統的な冷たいデザートは、現在では工業的にも生産されています。
輸送や保存などの点において一定の品質を保つ目的のために、製造過程でゼラチンなどが凝固剤として添加されていますが、伝統的なレシピが多く尊重されているので、テクスチャーはやわらかめです。
「冷製ミルクデザート dessert lacté frais」というカテゴリーの製品で、ヨーグルト、クリーム、フロマージュブランと区別されて製造されています。
冷製ミルクデザートは、組成等に関連するフランスでの規定はありませんが、すべての食品を管理するヨーロッパの規制(衛生、添加物の使用、表示など)に準拠しています。
輸送や保存などの点において一定の品質を保つ目的のために、製造過程でゼラチンなどが凝固剤として添加されていますが、伝統的なレシピが多く尊重されているので、テクスチャーはやわらかめです。
「冷製ミルクデザート dessert lacté frais」というカテゴリーの製品で、ヨーグルト、クリーム、フロマージュブランと区別されて製造されています。
冷製ミルクデザートは、組成等に関連するフランスでの規定はありませんが、すべての食品を管理するヨーロッパの規制(衛生、添加物の使用、表示など)に準拠しています。
50%以上の牛乳を含むことが義務付けられている
また、製造業者の自主規制により、50%以上の牛乳(または牛乳と同等の製品*)が組成物に含まれることが義務付けられていますが、実際には、牛乳成分が60~75%の製品が多くを占めています。
14カテゴリーの製品があり、3,000種類以上の商品が存在します。
* 全脂乳、脱脂乳、部分脱脂乳、クリーム、粉乳など
14カテゴリーの製品があり、3,000種類以上の商品が存在します。
- フレーバーレンネットミルクデザート Les laits emprésurés aromatisés
レンネットの作用によりゲル化した弱酸性のカード(凝乳)から作られるデザート。チョコレートやキャラメルなどの味がつけられていますが、乳酸菌を含んでいるため、ヨーグルトのようなテクスチャーと風味があります。加熱処理により、乳酸菌は活性化していません。 - フレーバージェルミルクデザート Les laits gélifiés aromatisés
牛乳を主成分に砂糖などの甘味料、ゼラチンなどのゲル化剤または増粘剤(最終製品の2重量%以内)、香料、必要に応じて着色剤で構成されています。日本のプリンのような固めのテクスチャーで子供向けのものが多く見られます。 - ホイップクリーム付きフレーバージェルミルクデザート Les laits gélifiés avec crème fouettée
フレーバージェルミルクに泡立てたクリームをトッピングしたデザート。 - デザートクリーム Les crèmes desserts
牛乳、クリームを中心にミルク成分が豊富に含まれ、甘味料、香料、ゲル化剤、増粘剤を原料に作られます。クリームの有無にかかわらず、ゲル化剤より増粘剤の方が多いものがデザートクリームで、滑らかなテクスチャーが特徴。日本ではケーキに塗ったり、シュークリームなどお菓子の具のような扱いのクリームですが、フランスではそれ自体を味わうのがデザートクリーム。チョコレート味の他、バニラ、コーヒー、キャラメル、ピスタチオなど20種類以上のフレーバーがあるそう。子供にも大人にも昔から人気があります。要冷蔵タイプと、常温保存可能なタイプがあります。 - ムース Les mousses et assimilés
ミルクに加えて、クリームの気泡性を利用した空気感のあるデザート。甘味料、香料、ゲル化剤、膨張剤、増粘剤が含まれます。チョコレート味が多く、メレンゲが入っている製品もあります。
* 全脂乳、脱脂乳、部分脱脂乳、クリーム、粉乳など
人気の冷たいデザート
※このテーマは次号に続きます。
管理栄養士 吉野綾美
1999年より乳業団体に所属し、食育授業や料理講習会での講師、消費者相談業務、牛乳・乳製品に関する記事執筆等に従事。中でも学校での食育授業の先駆けとして初期より立ち上げ、長年講師として活躍。2011年退職後渡仏、現在フランス第二の都市リヨン市に夫、息子と暮らす。
1999年より乳業団体に所属し、食育授業や料理講習会での講師、消費者相談業務、牛乳・乳製品に関する記事執筆等に従事。中でも学校での食育授業の先駆けとして初期より立ち上げ、長年講師として活躍。2011年退職後渡仏、現在フランス第二の都市リヨン市に夫、息子と暮らす。