コラム、「ミルクの国の食だより」の第60回をお送りします。前回に続き、フランスの学校給食の話題です。
栄養管理のポイントとは別に、ビオ(有機)食材の比率を上げる目標も掲げられています。
栄養管理のポイントは4つ
学校給食 (Restauration scolaire) に関する指令に沿って、自治体と学校が責任をもって共同運営されるフランスの学校給食。
栄養管理のポイントとしては、次の項目を挙げています。
●使用頻度を制限することで脂質摂取量を減らしましょう
前菜にはハムやソーセージなどの食肉加工品、マヨネーズ系のソース、揚げ物など、脂肪含有量15%を超える製品を避ける。
●カルシウムの十分な摂取量を確保しましょう
乳製品には一食あたり少なくとも150mgのカルシウムを含むチーズ(例エメンタール、コンテ、ゴーダなど)、前菜には一食あたり100~150mgのカルシウムを含むチーズ(例カマンベール、クロミエなど)、デザートとして(または乳製品として)一食あたり100mg以上のカルシウム及び5g未満の脂肪を含む製品(例ヨーグルト、プチスイス)が推奨される。
●鉄分の摂取量を増やしましょう
メインディッシュには、肉類なら挽肉加工品を制限して赤身肉にしたり、魚を提供しましょう。
●繊維とビタミンの摂取量を増やしましょう
前菜、デザートには新鮮な野菜や果物をふんだんに使用する。付け合せには生野菜のほか、穀類、乾燥野菜も使用する。
リヨン市ではこれら栄養基準を遵守し、季節感を取り入れたメニューが展開されています。
栄養管理のポイントとしては、次の項目を挙げています。
●使用頻度を制限することで脂質摂取量を減らしましょう
前菜にはハムやソーセージなどの食肉加工品、マヨネーズ系のソース、揚げ物など、脂肪含有量15%を超える製品を避ける。
●カルシウムの十分な摂取量を確保しましょう
乳製品には一食あたり少なくとも150mgのカルシウムを含むチーズ(例エメンタール、コンテ、ゴーダなど)、前菜には一食あたり100~150mgのカルシウムを含むチーズ(例カマンベール、クロミエなど)、デザートとして(または乳製品として)一食あたり100mg以上のカルシウム及び5g未満の脂肪を含む製品(例ヨーグルト、プチスイス)が推奨される。
●鉄分の摂取量を増やしましょう
メインディッシュには、肉類なら挽肉加工品を制限して赤身肉にしたり、魚を提供しましょう。
●繊維とビタミンの摂取量を増やしましょう
前菜、デザートには新鮮な野菜や果物をふんだんに使用する。付け合せには生野菜のほか、穀類、乾燥野菜も使用する。
リヨン市ではこれら栄養基準を遵守し、季節感を取り入れたメニューが展開されています。
給食を利用しない子どもは帰宅して食事
前菜、メインディッシュ、付け合せ、乳製品、デザートで構成される一般的メニュー(menu classique)のほか、肉類に偏りがちなメインディッシュに多様性をもたせるために、魚、卵、豆腐、チーズなどのたんぱく質食品に置き換えたメニュー(menu complet sans viande)が存在します。
ビオ(有機)比率を目標設定
また、フランスは現在、学校の給食食材のビオ(有機)比率を少なくとも20%、2022年までには50%にすることを法律で定めています。
現在の全国平均は4.5%と低い中、リヨン市はこれを大きく上回っておりビオ比率32%、2018-2019年度では40%の目標を掲げています。
同時に持続可能な食材(ローカル、産直、季節の食材)の比率を上げることも重要な課題。
リヨン市では給食食材のうち、豚肉・パン・野菜や果物のピューレは100%、牛肉・ヨーグルトは75%、生鮮野菜・果物は55%を200km圏内にある畑や工場で調達されています。
ビオ比率を上げるために、近隣諸国から安価な有機農産物を輸入しても意味がありません。
有機か地産地消の二者択一ではなく、給食に地元の有機農産物が使われることで、栄養価の高い農産物の確保、地元の伝統的な農業の維持、輸送や冷蔵などの環境への負荷を軽減、食品廃棄率の減少につながり、さらには新たな雇用を生み出すなど有機農業そのものの活性化に寄与しています。
こういった取り組みが食料・農業・環境に対する意識を学校給食を通して子どもたちに浸透していくのだと思います。
現在の全国平均は4.5%と低い中、リヨン市はこれを大きく上回っておりビオ比率32%、2018-2019年度では40%の目標を掲げています。
同時に持続可能な食材(ローカル、産直、季節の食材)の比率を上げることも重要な課題。
リヨン市では給食食材のうち、豚肉・パン・野菜や果物のピューレは100%、牛肉・ヨーグルトは75%、生鮮野菜・果物は55%を200km圏内にある畑や工場で調達されています。
ビオ比率を上げるために、近隣諸国から安価な有機農産物を輸入しても意味がありません。
有機か地産地消の二者択一ではなく、給食に地元の有機農産物が使われることで、栄養価の高い農産物の確保、地元の伝統的な農業の維持、輸送や冷蔵などの環境への負荷を軽減、食品廃棄率の減少につながり、さらには新たな雇用を生み出すなど有機農業そのものの活性化に寄与しています。
こういった取り組みが食料・農業・環境に対する意識を学校給食を通して子どもたちに浸透していくのだと思います。
※このテーマは次号に続きます
管理栄養士 吉野綾美
1999年より乳業団体に所属し、食育授業や料理講習会での講師、消費者相談業務、牛乳・乳製品に関する記事執筆等に従事。中でも学校での食育授業の先駆けとして初期より立ち上げ、長年講師として活躍。2011年退職後渡仏、現在フランス第二の都市リヨン市に夫、息子と暮らす。