J-MILK REPORT Vol.47「牛乳でスマイルプロジェクト」活動事例(株式会社ゼンリン)
03 株式会社ゼンリン
ICT事業本部 マーケティング部 部長 清原 康毅 さんICT事業本部 マーケティング部 公式X(旧Twitter)担当者 さん
——話題となった「小学校の学校給食マップ」の制作と、「牛乳でスマイルプロジェクト」参加の経緯は?
弊社のXアカウントでは、地図や地域にまつわる〝地的な情報〟を発信しています。2022年4月、小学校の修学旅行先を募集・地図化して投稿すると、大変多くの反響が寄せられました。その後、担当チーム内でこれと同様に地域性の強いネタを検討した際、「小学校の給食牛乳」の地図化というアイデアが出ました。
10月から情報を募り、試みに埼玉、大分、茨城の学校給食牛乳を紹介したところ、農林水産省畜産局の三原亙・牛乳乳製品課 課長補佐(当時)から、「面白い取り組みなので、プロジェクトにぜひ参加してほしい」と連絡がありました。
実際にお会いして、酪農業界の課題や年末年始の生乳需給問題などをお聞きしました。三原さんの熱い思いに触れ、私たちも少しでもお手伝いできればと考え、プロジェクトへの参加と、年末までに給食牛乳マップを仕上げることを決めました。
——制作過程と発信後の反響はいかがでしたか?
SNSと投稿フォームを通じて全国から約7000件以上の情報が集まったのですが、その精査が大変でしたね。同じ地域でも複数メーカーが供給していたり、小規模事業者は所在確認すら困難だったりして、実態を捉えるのが容易ではなかったです。
最終的に対象を160社程度に整理し、各社に連絡して画像提供などのご協力をいただきました。各地に多くのメーカーさんがあることを直感的に知ってほしかったので、供給エリアの分布と給食牛乳のパッケージ画像を主体にしたカオスマップ風の地図を制作。10の地方版と全国版を、12月下旬にかけてSNSに投稿しました。
ネット上での反響は想像以上に大きく、多くのメディアから取材も受けました。ちょうど生乳需給問題が報じられていたこともあり、酪農乳業関係者の皆さんから、「業界を盛り上げる話題づくりをしてくれてありがとう」といった声をいただけたのが一番うれしかったですね。
社内では担当チームの一人がふるさと納税の返礼品に牛乳を選んだと話していましたし、営業担当からは「お客さんも見てくれていて会話が弾んだ」といった声もありました。今でも旅行のたびにご当地の牛乳パックの写真を送ってくる同僚もいます。
乳業メーカーさんとの交流も生まれました。弊社制作のマップを工場見学のルートに掲示したり、社内に飾ったりして活用いただいている事例もありますし、今もいくつかのメーカーさんとはSNSを通じたやりとりが続いています。投稿して終わりではなく、発信をきっかけに外部とのつながりができたことも大きな成果だと思っています。
——今後の思いをお聞かせください。
私たちにできることは、このマップのような情報発信による牛乳の話題喚起です。今後も酪農乳業界の皆さんと一緒に、新たな話題づくりができたらうれしいですね。Jミルクさんが実施した「土日ミルクフェス」でマップを使っていただいたように、外部と連携したコンテンツ活用の可能性も探っていきたいと考えています。