食品に含まれる「たんぱく質」の“質”から見た環境負荷の再検討②(Vol.16 2021.12)

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食品に含まれる「たんぱく質」の“質”から見た環境負荷の再検討②
~動物性食品の環境負荷は本当に大きいのか?~

今回は、前回に引き続き 2021年の5月に Global Food Security に掲載された「集団のたんぱく質摂取量と食品の持続可能性指数:測定基準(指標)の重要性」について解説します。近年、ベジタリアンやビーガンが増加し、大豆肉のハンバーガーやオーツミルクなどが人気を集めています。この背景には、環境や健康、動物愛護に対する意識の高まりがあると考えられます。しかし、前回お伝えした通り、食品たんぱく質の「質」から分析すると、現在のたんぱく質摂取量では、必須アミノ酸のバランスがとれた吸収たんぱく質の1日平均摂取量が必要量を充たしている国は 103ヵ国中一つもありませんでした。今後、植物性食品へのシフトが進むと、食事性たんぱく質に占める植物性たんぱく質の割合が増え、体内でのたんぱく質の利用効率は低下し、必要量との乖離がさらに進むことが予想されます。健康的で持続可能な食事を考えるうえで、食品たんぱく質の質などを考慮すると、必ずしも動物性食品の環境負荷が一方的に大きい訳ではないことが見えてきます。

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