ミルクといっしょに世界の旅へ

楽しみ方、ワールドワイド

私たちにとても身近な牛乳・乳製品。
世界中の人々にも広く、そして歴史的にも長く親しまれている食品です。
ところ変われば、ミルクの楽しみ方やもち味のいかし方はさまざま。
そこで、お国柄が見えるミルク料理の数々をご紹介します。
国ごとに、あっとおどろく新しい発見も!
さぁ、ミルクといっしょに世界をめぐる旅に出かけてみませんか? 

[牛乳・乳製品好きな30~50代の女性に聞いてみました] ミルクの魅力を再発見!アンケート

牛乳・乳製品を使った外国料理で好きなものは?
スイス「ラクレット」
チーズにジャガイモなどをからめて食べる名物料理です。料理名と同じラクレットチーズを使用。チーズの切り口をオーブンで溶かし、ナイフで皿の上に切り落とします。
イギリス「ヨークシャープディング」
ローストビーフなどのつけ合わせに使われる伝統的な料理。牛乳・小麦粉・卵で作った生地をオーブンで焼いたものにグレービーソースをかけます。 
イタリア「カプレーゼ」
トマトの赤、モツァレラチーズの白、バジルの緑と、イタリアの国旗を表したサラダ。厚切りにしたトマトにチーズ、バジルを重ね、塩、コショウ、オリーブオイルでいただきます。
今までに出会ったミルク料理で感心したものは? 
■ヨーグルトシチュー
たっぷりの野菜にヨーグルトを加えたシチュー。小麦粉にヨーグルトを入れてもだまになりにくい点が新しい発見でした。
■飛鳥鍋
野菜やキノコなどの具材に、鶏ガラの出汁と牛乳を加えた鍋料理。まさか牛乳をベースにした日本料理があるとは思いませんでした。 
■ライスプディング
牛乳でお米を煮たデザート。意外な組み合わせに驚きました。シナモンのいい香りがして、食欲がない時にでも食べられます。 
 
あなたがおすすめするオリジナルミルク料理は?
■クリームチーズの冷奴
クリームチーズをさいの目状に切り、かつお節とネギ、しょうゆをかけて食べます。 
■海苔クリームパスタ
炒めたベーコンに生クリーム50mlと海苔の佃煮大さじ1を入れて合わせ、パスタとからめます。 
■山芋グラタン
ジャガイモの代わりに乱切りにした山芋を入れたグラタン。ソースは牛乳にすりおろした山芋を加えて作ります。 
牛乳・乳製品の魅力を引き出すために、工夫していることは?
■火加減に注意!
牛乳をスープ類に使用する際は、火加減に気を遣っています。煮立てすぎず焦がさないことがポイントです。 
■味つけはシンプルに
牛乳・乳製品の素材の味を大切にするために、調味料は入れ過ぎず、シンプルに味つけしています。 
■味の好みで使い分け
まろやかにしたい時は牛乳。コクやとろみを出したい時はチーズ。さっぱり仕上げたい時はヨーグルトを。
 
[資料]ほわいと「ミルク料理に関するアンケート」より n=206 

新鮮なおいしいミルク料理を発見

日本のミルクファンの声に耳を傾けたら、独自のミルク料理や新しい使い方などミルクの魅力を再発見できるさまざまな回答が。
「牛乳・乳製品を使った外国料理で好きなものは?」では、スイスのラクレットやイタリアのカプレーゼなど日本でも馴染みのある世界の代表的な料理の名前が。「今までに出会ったミルク料理で感心したものは?」では、あまり日本では見ないような外国のミルク料理や、ミルクと相性のよい意外な組み合わせなどが挙がりました。
みなさん、さまざまな国でいろいろなミルク料理と出会っているんですね。  

自分流の ミルクアレンジを披露

あなたがおすすめするオリジナルミルク料理は?」では、家庭で簡単に作れるアイデアミルク料理の数々が挙がりました。冷蔵庫の余り物もミルク使いをヒントにすれば、おいしい一品にアレンジできそう。また、「牛乳・乳製品の魅力を引き出すために、工夫していることは?」では、ミルクのもつやさしい味わいを引き立たせるための工夫や、牛乳・乳製品の特長をいかす技などが続々。牛乳・乳製品はすっかり日本の食卓を彩る大切な食材になっているようですね。

世界中で発見!おいしいミルクの楽しみ方

世界中に広がる牛乳・乳製品の楽しみ方をレポート! 各国ごとの食文化と、その国ならではの牛乳・乳製品の使い方を紹介します。
世界中から移民を受け入れてきた歴史から、イギリス系、フランス系、アイルランド系、ドイツ系など多くの人種が集まる国。そのため、世界各国の料理を楽しむことができます。そんな中でもカナダならではの料理もあります。ケベック州で生まれた「プーティン」は、フライドポテトにグレービーソースとチーズをかけたファストフード。また、小麦粉と牛乳で作った団子をメープルシロップで煮た「グランペール・ダン・ル・シロ」はケベック州の伝統的なお菓子です。
  • ▲グランペール・ダン・ル・シロ
スペイン系とイタリア系を中心にヨーロッパ系の人種が人口のほとんどを占めるアルゼンチン。スペイン人が牛を持ち込んだことがはじまりで、今でも牧畜がさかん。牛乳を煮詰めて作る「ドゥルセ・デ・レチェ」は、「おふくろの味」といわれ親しまれているミルクジャム。これを使ったお菓子に「アルファホール」があり、ココナッツや粉砂糖をまぶしたものやチョコレートをかけたものなどさまざまな種類があります。
  • ▲アルファホール
かつてイギリス領であった時代の影響が食文化にもみられます。肉や魚料理、パイ料理などイギリス風の料理がほとんど。また牧場や牧草地が国土の約半分を占めるため、羊牧がさかんです。羊や山羊の乳を使ったチーズから日本でもおなじみのチェダーやカマンベールなどのチーズまで、実に幅広い種類があります。牛乳、チーズ、卵、ハムなどを混ぜてパイ生地に流し込んで作る「キッシュ」は、ニュージーランドの名物料理です。
  • ▲キッシュ
インドはさまざまな宗教が混在する国。ヒンドゥー教徒は牛肉を、イスラム教徒は豚肉を食べません。そのため命を奪わず得ることができる牛乳・乳製品が重宝されています。インドの一般家庭では牛乳が必需品。ヨーグルト、バターを手作りする家庭では毎日1ℓ以上のミルクを消費します。そんなインドの定番料理は「ターリー」。金属製の盆の上には、カレー、ヨーグルト、サラダなどがのっており、ご飯やナンなどといっしょに食べます。
  • ▲ターリー
ヨーロッパとアジアが交差する位置にあるトルコは、ヨーロッパ各地、中央アジアからきた遊牧民、イスラム世界などさまざまな食文化が混じり合う国です。特に、遊牧民はヨーグルト、チーズ、バターなどの乳製品を愛する食文化をもっていたため、今でもトルコでは乳製品を使った料理が楽しまれています。代表的な料理のひとつに「ジャジュック」というヨーグルトにキュウリとニンニクを加えたスープ状のサラダがあります。
  • ▲ジャジュック
ギリシャはヨーロッパ文明の発祥地。エーゲ海とイオニア海に囲まれた温暖で湿度の低い地中海型気候であることから、豊かな食文化が育まれてきました。また山脈が多いこともあり羊牧がさかんです。羊乳で作ったチーズの種類が豊富で、料理に合わせてさまざまな使い方をします。ギリシャ全土で食べられるチーズパイは、フェタチーズをはじめさまざまなチーズをブレンドした料理。ほかにもヨーグルトを使ったサラダなど食事の中で牛乳・乳製品が親しまれています。
  • ▲チーズパイ
ブルガリアには日本と同じくはっきりと四季があり、季節に応じた料理が楽しまれています。この自然の恵みが人々の暮らしや食文化に大きく影響し、昔から健康的な食事法が営まれてきました。その伝統的な食生活のひとつにヨーグルトを食べる習慣があります。多くの人が1日1回ヨーグルトを食べ、季節の節目にある祭事にも利用されます。伝統的な料理のひとつに、ヨーグルト、チーズ、ベーキングソーダ、溶かしたバターで作った「バニツァ」というパイがあります。
  • ▲バニツァ
夏と冬の平均気温の差が、地域によって30~75℃にも及ぶロシアでは、夏の間に収穫された野菜を塩漬けや酢漬けにするなど保存する文化も発達しています。生クリームを発酵させて作る「スメタナ」は、そんなロシア料理には欠かせない食材です。日本でいうサワークリームと同様のもので、いろいろな料理に加えて食べます。たとえば、シチューやスープに入れたり、肉や魚にかけてオーブンで焼いたり。または、デザートにすることも。
夏は短く、冬は長く寒さの厳しい地域。夏は白夜がある一方、冬は日が昇らず、食材に恵まれなかったこともあり、限られたものを大切にしてきた食文化があります。牛乳・乳製品もそのひとつ。スウェーデンの人にとって重要な祭事であるクリスマスのシーズンには、ミルク粥を家庭で作る習慣があります。ミルク粥といっても甘く、米を牛乳で煮てホイップクリームと和えたもので、シナモンやシュガーパウダーまたは果物のソースをかけて食べます。
  • ▲ミルク粥
「食べるために生きている」といわれるほど、食事を楽しむ習慣のあるフランス。食に対する関心は強く、早くからグルメガイドや料理雑誌など食にかかわる情報が提供されてきました。
フランスには、ミルクで作ったおいしいデザートがたくさん。生クリームに砂糖を加えて泡立てたシャンティークリームをはじめ、牛乳・乳製品はクリームやムースによく使います。フロマージュ・ブランというフレッシュチーズを使ったデザートもあります。
  • ▲フロマージュ・ブランを使ったデザート

ミルクをこよなく愛する国々にインタビュー スウェーデン/フランス編

世界の中でも牛乳・乳製品を特に利用する国々をクローズアップ!
各国の食文化や牛乳・乳製品とのかかわりについて伺いました 
日照時間の変化が著しく、夏は白夜が続き、冬は日が昇らない時期が続くスウェーデンでは、痩せた土地の中で食文化が育まれました。今では、さまざまな食材が手に入るようになりましたが、伝統的な料理の多くには、保存食の文化や風習が残っています。牛乳・乳製品は、そんな時代から受け継がれてきた大切な食材。ミルク料理の文化が深く根づいています。
 
北欧の中でも珍しく、母屋と家畜小屋がいっしょになった家がスウェーデンにはあります。家畜と密接した暮らしをする中で、牛乳・乳製品を食する文化をもつように。そんなスウェーデン料理は、焼き物にはバター、オーブン料理にはクリームなど、料理の中に牛乳・乳製品をよく使います。パンはチーズとバターのためにあるといわれるほど。薄くかたいパンにはチーズやバターをのせ、やわらかいパンにはバターをのせるのだとか。
 
食材が限られていたスウェーデンの人々は、今も食事に対する感謝の気持ちをもち続けて暮らしています。私たちもそんな気持ちを忘れずにしていきたいですね。
  • ▲チーズやバターを楽しむためのパン
  • ▲乳製品によく合うディルを添えて

    [取材協力・写真提供]
    北欧料理レストラン リラ・ダーラナ
フランスの食文化は、もともと宮廷料理から発達。フランス革命以後、贅(ぜい)をつくした料理の数々は、宮廷から一般の人も食べることができるレストランへと移行していきました。また、気候が温暖なこともあり、農業、酪農、畜産業がさかんで、牛乳・乳製品はもちろん、幅広い食材が楽しめるのも特徴です。
 
フランス料理のベースとなる味はバターやクリームなどの乳製品。バターで炒めた鶏肉をクリームで煮込んだ「鶏肉のフリカッセ」は、家庭でも食べられる料理です。また、バターは仕上げにもよく使用します。ソースに冷たいバターを加え、ゆっくりと混ぜ込んでいくことを「バターをモンテする」といいます。そうすることで、全体がなめらかになりコクも出るのだとか。ほかにも、チーズは食事の締めくくりとして重要なもの。その種類はなんと、400~600といわれるほどです。
 
ともあれ、バターはフランス料理を語るうえで欠かせない存在。魚や肉を料理する時は、フランスにならってバターでソテーしてみては。豊かな香りとコクがプラスされて、ちょっとリッチな一皿に変身しますよ。
  • ▲酪農がさかんなノルマンディー地方
  • ▲鶏肉のフリカッセ

    [取材協力・写真提供]
    辻調理師専門学校、辻静雄料理教育研究所

ミルクをこよなく愛する国々にインタビュー ブルガリア/インド編

世界の中でも牛乳・乳製品を特に利用する国々をクローズアップ!
各国の食文化や牛乳・乳製品とのかかわりについて伺いました 
農業と牧畜がさかんなブルガリアは、青々とした牧草地と農地が広がる豊かな国です。ブルガリアの食生活の特徴は、ヨーグルトとおいしい野菜。毎年7月にはラズグラッド市でヨーグルト祭りが開催され、ヨーグルト作りの技を競うコンテストなどが行われています。
 
そんな乳製品と密着した暮らしをしているブルガリアでは、ヨーグルトはデザートとしてハチミツやジャムをかけて食べるのはもちろん、多様に使用します。たとえば、水切りヨーグルトを使った「スネジャンカ」というサラダや「ヨーグルトケーキ」などヨーグルトをふんだんに使った料理がたくさんあります。ヨーグルトは水切りするとよりクリーミーでコクのある仕上がりに。各家庭ではヨーグルトをガーゼに包んで一晩ぶら下げておき、翌日料理に使うことがあります。
 
また、ブルガリアは日本の食文化にも大きくかかわりがあり、1970年の大阪万博の際にブルガリアのヨーグルトが伝わりました。ヨーグルトを愛し、健康にも役立ててきたブルガリアの人々。ブルガリアのおかげで、日本のヨーグルト文化が発達したのかもしれませんね。 
  • ▲昔ながらの風景が残るボジェンツィ村
  • ▲民族衣装を着て踊るこどもたち

    [取材協力・写真提供]
    ブルガリア共和国大使館
世界四大文明発祥の地のひとつであるインドでは、古くから牛乳を加工して料理に使う習慣があります。たとえば牛乳を沸騰させ、表面の薄い膜を何度も取り除き、布でギュッと搾ってかためたものが「パニール」というインドのチーズ。ヨーグルトは「ダヒー」と呼ばれ、自家製のものもたくさんあります。特にヨーグルトはカレーの副菜として欠かせないもの。ヨーグルトと米に塩を入れて作った「ヨーグルトライス」やヨーグルトにチキンをつけ込んで焼く「タンドリーチキン」は代表的な料理です。
 
また、お酒を飲まない男性が多いこともあり、甘いものが大好き。飲み物やスイーツに牛乳がよく使われます。伝統的なスイーツである「キール」は、煮つめた牛乳にライスを入れた料理。西洋では仕上げに「シナモン」を使うのに対し、インドでは「カルダモン」を使うのが特徴です。
 
牛は、古くからインドでは荷物を運んだり、乳を搾って食材にしたりと、人々の暮らしそのものを支えてきた存在。そして神聖な動物として大切にされてきました。そんな牛との上手なつき合い方に感心させられました。 
  • ▲食材で賑わうインドの街並と野良牛
  • ▲(左)キール(右)ホウレン草とチーズのカレー

    [取材協力]
    純インド料理レストラン アジャンタ

マザーミルクの世界のミルクレストラン さぁ、召しあがれ! 各国自慢のミルク料理

世界中には、いろいろなミルクの楽しみ方があってびっくりですよね~。みなさんも、味わってみたいですよね?
そこで作って楽しい、食べてミルクの魅力を再発見できる、そんな牛乳・乳製品を使ったレシピをご紹介します。
ところ変われば、ミルクの食材力のいかし方もそれぞれ。
いろいろなミルクの楽しみ方があることを、ぜひ、ご自身の舌で感じてみてくださいね。 
 
豊かな風味やコクをプラス
やさしい風味や甘さ、マイルドな味わいの牛乳。そしてこの牛乳から作られた乳製品には、それぞれに風味やコクの特長が。料理のベースにしたり、プラスするだけでおいしい世界が広がります。
料理に使いやすいかたち
牛乳は液体。ヨーグルトはトロッとしていて、水気を切ればクリーム状に。チーズはやわらかいものからかたいものまで。スキムミルクは粉状。バターや生クリームも多才さを発揮します。
合わせる食材の引き立て役
牛乳は肉や魚のくさみを取ってくれたり、ヨーグルトに漬け込むと肉や魚の身をやわらかくしてくれたり。いっしょに料理する食材そのもののうまみも、上手に引き立ててくれるのです。 

世界のミルクレストラン レシピはこちら

タマレ
メキシコのチマキ
ライタ
インドのヨーグルトサラダ
ボボティ
南アフリカ共和国のグラタン風ミートローフ
ポルボロン
スペインの幸せの白いお菓子
ほわいと(2009冬)より