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日本では、北海道を中心におよそ136万頭の乳牛が飼育されており、その約99%は白黒模様のホルスタイン種です。ホルスタイン種のほか、ジャージー種やブラウンスイス種、エアシャー種、ガンジー種、ブリティッシュ・フリージャン種なども全体からみればわずかですが飼育されています。それぞれの乳牛には、つぎのような特徴があります。
図1-1 | 乳牛の種類
写真提供:高田千鶴氏(ホルスタイン種・ジャージー種・ブラウンスイス種)

ホルスタイン種

日本で飼育されている約99%がホルスタイン種です。原産地はオランダのフリースランド地方やドイツのホルスタイン地方で、正式にはホルスタインフリーシアン種といいます。体が大きく、乳房が発達し乳量が多いので、乳牛として世界中で最も多く飼われています。性格は温和でやさしく、寒さに強く暑さに弱いのが特徴です。乳脂肪率は約3.8%前後です[図1-1]

ジャージー種

ジャージー種は日本ではホルスタイン種のつぎに頭数が多く、約1万頭が飼育されています。イギリス海峡ジャージー島原産で、淡い褐色で乳牛の中では小型です。ホルスタインに比べて乳量は少ないものの、約5%と乳脂肪分が高いのが特徴です。主に岡山県や熊本県で多く飼育されています[図1-1]

ブラウンスイス種

ブラウンスイス種は日本では1,000頭強が飼育されています。スイス原産で、黒褐色で体は大型です。乳脂肪分は約4%でたんぱく質の含有量も高いため、バターやチーズの加工に適しています。主に北海道や九州などで飼われています[図1-1]

エアシャー種

英国スコットランドのエア州が原産。体は中型で、厳しい気候条件で育ったため体質は剛健です。たんぱく質の含有量が多い乳は、チーズに適しています[図1-1]

ガンジー種

英仏海峡のガンジー島が原産です。体型はジャージー種に似ていますが、ひとまわり大きく骨太。黄色味が強く風味がよい乳は、チーズやバターなどの乳製品に利用されています[図1-1]

ブリティッシュ・フリージャン種

ホルスタイン種は地域によって体型が若干異なり、アメリカ型とヨーロッパ大陸型、そして中間型があります。コンパクトな体で四肢が短いブリティッシュ・フリージャン種は中間型で、乳質は乳脂肪分、たんぱく質とも多いのが特徴です。