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牛乳乳製品の衛生的品質、製品規格、表示などは、以下のような法律や省令などによって規制されています。


食品衛生法

1947年に初めて制定された「食品衛生法」は、飲食による健康被害の発生を防止するための法律です。食を取り巻く環境の変化や国際化等に対応し、食品の安全を確保するため、2018年に改正が行われました。改正では、大規模または広域におよぶ「食中毒」への対策の強化、HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理の制度化などが規定されました。また、輸入食品の安全性確保のため、輸入される食肉のHACCPに基づく衛生管理や、輸入される乳・乳製品および水産食品については、輸出国の政府機関によって発行された証明書(衛生証明書)を添付したものでなければ販売目的で輸入してはならないこととなりました。


乳等省令

食品衛生法のもとで定められた、「乳及び乳製品の成分規格等に関する命令」のことで、牛乳や各種乳製品について成分規格、製造方法について、細かく規定しています。1951年に制定された「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」が、2024年3月に同法令の管轄が厚生労働省から消費者庁に移ったのに伴い名称変更されました。命令は現在は全3条からなります。近年の改正では、国際的な整合性を図るため、生水牛乳を乳等命令上の乳として定義し、水牛の乳を使用する乳等に規格基準等が規定・適用されました。また、常温保存可能品や充填後殺菌製品についても規格基準が設定されるなどしています。


公正競争規約

特定の分野の事業者または事業者団体が、公正取引委員会および消費者庁長官の認定を受けて、不当な顧客の誘引を防止し、公正な競争を確保するため、景品類または表示に関する事項について、自主的に設定する業界内のルールのことです。牛乳乳製品(飲用乳、はっ酵乳など、アイスクリーム類およびチーズ)に関しても、表示に関する公正競争規約があります。


食品安全基本法

2003年5月に制定された食品安全基本法は、「国民の健康の保護が最も重要であるという基本的認識」のもとに、「食品供給行程の各段階における適切な措置」「国際的動向および国民の意見に配慮しつつ、必要な措置が科学的知見に基づき講じられることによる国民の健康への悪影響の未然防止」を行うことを定めたものです。この法律では、酪農家も食品製造業者して法の規制対象となりました。


食品表示法

食品衛生法、JAS法(旧:農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律)および健康増進法の3つの法律で定められていた食品の表示に関する規定を一元化し、事業者にも消費者にもわかりやすい制度を目指して2015年4月に施行されました。従来は表示義務がなく、事業者が任意で行っていた栄養成分表示が義務化され、ナトリウムの表記も食塩相当量に変わりました。また、機能性を表示できる食品は、それまで国の規格基準に適合した栄養機能食品と国が個別に許可した特定保健用食品(トクホ)に限られていましたが、事業者の責任で食品の安全性と機能性に関する科学的根拠に基づき機能性を表示できる第3の制度として、機能性表示食品制度が設けられています。