種類による製造方法の違い
ヨーグルトは原料乳を乳酸菌で発酵させたものですが、種類によって製造方法は異なります。製造方法は、原料をタンクで発酵させ、容器に充填する「前発酵タイプ」と、原料を容器に充填した後に発酵させる「後発酵タイプ」の2つに分けられます[図3-25、3-26]。
スターター(種菌)として使われる乳酸菌は、ブルガリア菌とサーモフィルス菌の組み合わせが多く、他にアシドフィルス菌やヘルベティカス菌も使います。
スターター(種菌)として使われる乳酸菌は、ブルガリア菌とサーモフィルス菌の組み合わせが多く、他にアシドフィルス菌やヘルベティカス菌も使います。
図3-25 | 前 発酵タイプのヨーグルトの種類と製造方法
図3-26 | 後 発酵タイプのヨーグルトの種類と製造方法
プレーンヨーグルト製造方法の一例
殺菌した原料乳に乳酸菌スターターを加え、容器に詰めた後、発酵させます。
- ①加熱殺菌:牛乳などの原料乳を90~95 ℃で5分間殺菌した後、40~45℃に冷却します。
- ②乳酸菌添加:純粋培養した乳酸菌(種菌またはスターターと呼ぶ)を2~3%量加えます。
- ③充塡:乳酸菌を加えた乳を容器に充填します。
- ④発酵:温度を一定に保った発酵室に入れ発酵させます。使用する乳酸菌の種類によって条件は異なりますが、40℃前後の温度で4~6時間発酵させると、酸度が0.7~0.8%になります。酸度が上がったことを確認し、速やかに10℃以下に冷却し、発酵を終わらせます。冷却中もわずかに酸度が上昇し、0.9~1.0%の食べ頃の酸度になります。pHとしては5.0以下になります。
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家庭でのヨーグルトのつくり方
牛乳に市販のプレーンヨーグルトの一部をタネ(菌)として加え、次のようにして簡単につくれますが、衛生面には十分に注意してください。
つくり方
- ① 牛乳500mLを沸騰直前まで温め、45℃くらいまで冷ます。
- ②プレーンヨーグルト大さじ3杯(牛乳の約1割)を①に加え、よく混ぜる。牛乳が50℃以上だと乳酸菌が死んでしまい、ヨーグルトができないので温度に注意する。
- ③市販のヨーグルターに入れて4~6時間そのままにしておく。ヨーグルターがない場合は、熱湯ですすいで温めた魔法びんに入れる、ぬるま湯をはったボウルに入れて湯せんにするなどして、40℃を保つようにする。
- ④4~6時間後に少し取り出して味を見て、酸味が適当になったら冷蔵庫で冷やす。
ワンポイント
・やや不透明な上ずみができる場合がありますが、ホエイ(乳清)なので一緒に食べることをお勧めします。・プレーンヨーグルトの代わりに市販の粉末ヨーグルト種菌を使うこともできます。
その場合は、説明書にしたがって使ってください。
・牛乳の代わりにスキムミルクを使うこともできます。
ぬるま湯140mLにスキムミルク大さじ3の割合で溶かします。
・牛乳にクリームやスキムミルクを加えて味や成分を変えることもできます。
注意点
・道具類は熱湯消毒をして、雑菌が入らないようにしてください。・家庭でつくったヨーグルトは冷蔵庫で保存し2日以内に食べてください。
・できたヨーグルトをタネにして使用するのは2回までに。
それ以上使うと、乳酸菌の活力が低下して固まりにくくなったり雑菌が増えることがあります。
・ビフィズス菌などの酸素を嫌う菌は、この方法では増やすことはできません。