牛乳乳製品をさらにおいしく
牛乳乳製品は、手を加えることなくそのまま飲んだり食べたりできるのが特徴です。
調理に使うと肉や魚などの臭いを取り、味をまろやかにする働きがあります。牛乳乳製品の栄養分は加熱してもほとんど損なわれないという特性もあり、その利用方法はバラエティに富んでいます[表2-12]。
調理に使うと肉や魚などの臭いを取り、味をまろやかにする働きがあります。牛乳乳製品の栄養分は加熱してもほとんど損なわれないという特性もあり、その利用方法はバラエティに富んでいます[表2-12]。
表2-12 | 牛乳乳製品のおいしさと楽しみ方
種類 | おいしさの秘密 | 楽しみ方 |
---|---|---|
牛乳 | 乳糖によるかすかな甘味、ミネラル分の奥深い滋味、カゼインなどのたんぱく質によるコク、乳脂肪による滑らかな飲み心地 | そのまま飲むほか、コーヒーや紅茶など他のものと混ぜて飲むことができる。近年は混ぜて飲む傾向が強まってきている。また、牛乳のたんぱく質や脂質は、臭い成分を効率的に吸収する働きもあり、肉や魚などの生臭さを抑えるため料理にも幅広く使える |
ヨーグルト | 乳製品独特のコクと乳酸発酵によるさわやかな酸味 | スープやドレッシングに加えると、さっぱりとした味わいに仕上がる。肉を漬け込むと乳酸が筋線維をほぐし、肉を軟らかくジューシーにする。意外なのが和食にも合うことで、みそ汁に加えると乳酸がみその成分を分解しアミノ酸を増加させ、うま味を増すなど味を引き立てる。牛乳を飲むとおなかの調子が悪くなる人には、乳酸菌によって乳糖の一部がすでに分解されているヨーグルトやチーズを利用すると、無理なく牛乳の栄養を摂取することができる |
チーズ | 豊富に含まれたアミノ酸がうま味の秘密 | みそやしょうゆなどと同じ発酵食品として優れた調味料になる。種類も豊富で、クリーミーな食感や酸味、コクなどさまざまな風味が味わえる。加熱すると香りや濃厚感、独特の風味が増す |
クリーム | 乳脂肪を凝縮したクリームは、料理に使うといっそうのコクとまろやかさが加わる | 泡立ててホイップクリームにし、ケーキのデコレーションやスコーンなどのお菓子に添える。コーヒーや紅茶に入れると趣きが違う濃厚な味が楽しめる |
バター | バター1箱(200g)をつくるには200mLの牛乳約26本分の乳脂肪が必要で、まさに牛乳のおいしさを凝縮した食品。加熱すれば芳醇な香りが得られ、バターに含まれる乳糖やたんぱく質により、滑らかな食感が味わえる | パンにつけて食べる以外にも料理の調味料や隠し味、お菓子づくりなど多様な使い方がある。植物油にはないコクと風味が生かされ、どんな食品とも相性が良い |
column18
牛乳の味は変化する
牛乳は、乳牛が生み出す生乳100%の農産物です。野菜や果物と同じように、環境や育て方などで風味に違いがあります。牛乳の風味を決める主な要素として、乳牛の種類、飼料、地域の飼育環境、季節による変化などがあげられます。これらの違いにより乳量や乳成分が変化し、味や香り、コクといった風味にも影響を与えます。
また、乳業メーカーでは、安心して飲んでいただくために、加熱殺菌をしています。その殺菌温度や殺菌方法によっても牛乳の風味に違いが感じられます。
さらに、風味の感じ方は飲む人の状態や環境でも変化します。例えば牛乳を飲む温度や一緒に食べるもの、時間や場所、食事を共にする人、そして体調などによっても、味の感受性が変わります。不安や願望による精神的ストレスなど、心の状態も味覚と関係しています。
また、乳業メーカーでは、安心して飲んでいただくために、加熱殺菌をしています。その殺菌温度や殺菌方法によっても牛乳の風味に違いが感じられます。
さらに、風味の感じ方は飲む人の状態や環境でも変化します。例えば牛乳を飲む温度や一緒に食べるもの、時間や場所、食事を共にする人、そして体調などによっても、味の感受性が変わります。不安や願望による精神的ストレスなど、心の状態も味覚と関係しています。