体温の保持・調整
日本人の体温は通常36℃台の半ばといわれ、1日の中で1℃程度の差があり、朝の起床時に最も低くなるといわれています。また、最近では児童や生徒の中にも体温が通常より1℃程度低い人が増えているとの指摘もあります。
食べた栄養素の消化吸収や、体内のいろいろな活動にとって適した状態になる体温は、年齢などによって少し差はあるものの、36℃台半ばくらいと考えられます。
もし、体重と同じ量の水を体温と同じ温度に上げるとしたら、どのくらいのエネルギーが必要でしょうか。そして、それを24時間一定に保つために必要なエネルギーと、どんな生活環境や自然条件下でも一定に保つシステムは体内でどうなっているのでしょうか。
寝ている状態でも必要な1日あたりのエネルギーを「基礎代謝量」といい、中学生男子で1,500kcal程度、同女子で1,400kcal程度が必要になります。
食べた栄養素の消化吸収や、体内のいろいろな活動にとって適した状態になる体温は、年齢などによって少し差はあるものの、36℃台半ばくらいと考えられます。
もし、体重と同じ量の水を体温と同じ温度に上げるとしたら、どのくらいのエネルギーが必要でしょうか。そして、それを24時間一定に保つために必要なエネルギーと、どんな生活環境や自然条件下でも一定に保つシステムは体内でどうなっているのでしょうか。
寝ている状態でも必要な1日あたりのエネルギーを「基礎代謝量」といい、中学生男子で1,500kcal程度、同女子で1,400kcal程度が必要になります。
体が活動するためのエネルギー
自動車にたとえると、エンジンをかけて止まっているアイドリング状態が、人間では寝ている状態です。車を走らせるには、ガソリンや運転手の目や手足を使った操作が必要になります。人間の場合は、朝起きて顔を洗う、朝食を食べる、学校へ行くのに着替えをし靴を履く、歩く、挨拶をするなどの動作のために体のいろいろな部分を動かすにはすべてエネルギーが必要となります。
活動する以外のエネルギー
体温の維持や調整、体が活動するためのエネルギー以外にも、いろいろなエネルギーが体の中で必要になります。その一部を簡単に考えてみます。
- ①食べた食物を体内で消化し、必要な栄養素を吸収して、体に必要な形に栄養素をつくり直します。そして、約60兆個(最近は37兆個ともいわれています)ものさまざまな体の細胞に血液を通して酸素と一緒に届けられ、各細胞は必要なエネルギーなどをつくっています。こうした体内の活動をするため、エネルギーが必要になります。
- ②人間は、病気や細菌・ストレスなどと戦う力が体になければ、健康な生活を維持することはできません。病原菌などから体を守る働きをするのが、血液の中にある白血球やリンパ球などです。これらの防御システムが効果を発揮するために、体内ではいつも整備をしておく必要があり、こうした活動にもエネルギーが使われるのです[表4-1]。
表4-1 | 日本人の年代別、参照体重における基礎代謝量
男性 | 女性 | |||
---|---|---|---|---|
年齢 | 参照体重注(kg) | 基礎代謝量(kcal/日) | 参照体重注(kg) | 基礎代謝量(kcal/日) |
1~2歳 | 11.5 | 700 | 11.0 | 660 |
3~5歳 | 16.5 | 900 | 16.1 | 840 |
6~7歳 | 22.2 | 980 | 21.9 | 920 |
8~9歳 | 28.0 | 1,140 | 27.4 | 1,050 |
10~11歳 | 35.6 | 1,330 | 36.3 | 1,260 |
12~14歳 | 49.0 | 1,520 | 47.5 | 1,410 |
15~17歳 | 59.7 | 1,610 | 51.9 | 1,310 |
18~29歳 | 64.5 | 1,530 | 50.3 | 1,110 |
30~49歳 | 68.1 | 1,530 | 53.0 | 1,160 |
50~64歳 | 68.0 | 1,480 | 53.8 | 1,110 |
65~74歳 | 65.0 | 1,400 | 52.1 | 1,080 |
75歳以上 | 59.6 | 1,280 | 48.8 | 1,010 |