雌牛の誕生から乳牛となるまでの流れ
牛は人間と同じ哺乳動物です。子牛を産まなければ乳(生乳)は出ません。
雌牛誕生から乳牛となるまでの流れは、つぎのようになっています。
雌牛誕生:体重は約40kgです。産まれて約30分で、自分で立ち上がります。
哺育期間:産まれた子牛は母牛と離され、子牛用の小屋で育てられます。生後約1週間は母牛の乳(初乳)を飲んで「免疫グロブリン(Ig)」(たんぱく質)などの免疫成分をもらいます。
育成期間:子牛は生後約2カ月で離乳。その後、12~14カ月の育成期間を経て、生後約1年半で初回の人工授精をします。
出 産:280日前後の妊娠期間を経て、生後約2年半で初めての出産を迎えます。
搾乳期間:出産した牛は、その後300~330日間毎日搾乳します。
つぎの人工授精:出産から約40日後につぎの人工授精をします。
ただし、分娩前の乾乳期における飼養管理や分娩後の乳牛コンディション(子宮の状態の回復等)を考慮して種付けを行うもので、最近の実情では、子宮内のコンディションがよければ、分娩後50〜60日の場合が多くなっています。
乾乳期間:搾乳を始めて300~330日経ったら搾乳をやめ、つぎの出産に備えて2~3カ月間体を休ませます。
出産からつぎの出産までのサイクルは12~15カ月で、これを1頭につき3~4回繰り返します[図1-3]。牛乳を搾らなくなった牛は「廃用牛」といい、食肉などに利用されます。また、雄の子牛も去勢をして飼育し、食肉に利用されます。
雌牛誕生から乳牛となるまでの流れは、つぎのようになっています。
雌牛誕生:体重は約40kgです。産まれて約30分で、自分で立ち上がります。
哺育期間:産まれた子牛は母牛と離され、子牛用の小屋で育てられます。生後約1週間は母牛の乳(初乳)を飲んで「免疫グロブリン(Ig)」(たんぱく質)などの免疫成分をもらいます。
育成期間:子牛は生後約2カ月で離乳。その後、12~14カ月の育成期間を経て、生後約1年半で初回の人工授精をします。
出 産:280日前後の妊娠期間を経て、生後約2年半で初めての出産を迎えます。
搾乳期間:出産した牛は、その後300~330日間毎日搾乳します。
つぎの人工授精:出産から約40日後につぎの人工授精をします。
ただし、分娩前の乾乳期における飼養管理や分娩後の乳牛コンディション(子宮の状態の回復等)を考慮して種付けを行うもので、最近の実情では、子宮内のコンディションがよければ、分娩後50〜60日の場合が多くなっています。
乾乳期間:搾乳を始めて300~330日経ったら搾乳をやめ、つぎの出産に備えて2~3カ月間体を休ませます。
出産からつぎの出産までのサイクルは12~15カ月で、これを1頭につき3~4回繰り返します[図1-3]。牛乳を搾らなくなった牛は「廃用牛」といい、食肉などに利用されます。また、雄の子牛も去勢をして飼育し、食肉に利用されます。
図1-3 | 乳牛のライフサイクル
乳牛から栄養豊富な乳が出る仕組み
乳牛は草を食べて栄養豊富な乳を出しますが、そこで重要な役割を担っているのが胃です。
牛の胃は腹部の4分の3を占め、大きく4つに分かれています。最も大きいのが第1胃(ルーメン)です。牛は第1、第2胃に入った草を再び口に戻し、1日に6〜10時間ほどかけてゆっくりとすりつぶした後、また第1、第2胃に戻すという、 咀嚼 と反芻 を繰り返します。 第1胃は「発酵タンク」のような役割を持っており、植物を分解して利用する微生物や原虫などが大量に生息してルーメン発酵と呼ばれる消化活動を行っています。このルーメン発酵により生成された揮発性脂肪酸は第1胃から吸収されます。
第2胃、第3胃は収縮と弛緩を繰り返し、第1胃の内容物を攪拌 したり、移動をコントロールしたりしています。
第4胃はヒトと同じ機能を持つ胃で、ここで初めて消化液が分泌されて消化が進み、小腸でさらに消化液の作用を受けます。植物の分解物や微生物たんぱく質はこうして分解・吸収され、血液を通って全身に運ばれます[図1-4]。
乳房の乳腺細胞は、血液によって運ばれた栄養成分を使って乳を生産します。1Lの牛乳をつくるには400〜500Lの血液循環が必要で、乳牛は毎日1万Lもの血液を乳房に循環させて20〜30L分の乳をつくっています。乳脂肪は全身に蓄えられている体脂肪や揮発性脂肪酸から合成され、乳糖は肝臓に蓄えられたぶどう糖(グルコース)とガラクトースから合成されます。ミネラルやビタミンは血液中から乳腺細胞内に直接取り込まれますが、牛の体内でのビタミン合成には第1胃の細菌が関係しています。
本来、乳は子牛を育てるためのものです。出産後、最初の5日間の「初乳」は免疫グロブリン(Ig)が多く含まれており、免疫力付与のために子牛に飲ませる必要があることから、法律によって工場に出荷することができません。
牛の胃は腹部の4分の3を占め、大きく4つに分かれています。最も大きいのが第1胃(ルーメン)です。牛は第1、第2胃に入った草を再び口に戻し、1日に6〜10時間ほどかけてゆっくりとすりつぶした後、また第1、第2胃に戻すという、 咀嚼 と反芻 を繰り返します。 第1胃は「発酵タンク」のような役割を持っており、植物を分解して利用する微生物や原虫などが大量に生息してルーメン発酵と呼ばれる消化活動を行っています。このルーメン発酵により生成された揮発性脂肪酸は第1胃から吸収されます。
第2胃、第3胃は収縮と弛緩を繰り返し、第1胃の内容物を攪拌 したり、移動をコントロールしたりしています。
第4胃はヒトと同じ機能を持つ胃で、ここで初めて消化液が分泌されて消化が進み、小腸でさらに消化液の作用を受けます。植物の分解物や微生物たんぱく質はこうして分解・吸収され、血液を通って全身に運ばれます[図1-4]。
乳房の乳腺細胞は、血液によって運ばれた栄養成分を使って乳を生産します。1Lの牛乳をつくるには400〜500Lの血液循環が必要で、乳牛は毎日1万Lもの血液を乳房に循環させて20〜30L分の乳をつくっています。乳脂肪は全身に蓄えられている体脂肪や揮発性脂肪酸から合成され、乳糖は肝臓に蓄えられたぶどう糖(グルコース)とガラクトースから合成されます。ミネラルやビタミンは血液中から乳腺細胞内に直接取り込まれますが、牛の体内でのビタミン合成には第1胃の細菌が関係しています。
本来、乳は子牛を育てるためのものです。出産後、最初の5日間の「初乳」は免疫グロブリン(Ig)が多く含まれており、免疫力付与のために子牛に飲ませる必要があることから、法律によって工場に出荷することができません。
図1-4 | 牛の胃の構造