2019年12月に厚生労働省は、2020年度から2024年度までの5年間使用する「日本人の食事摂取基準(2020年版)」を発表しました。
設定指標
エネルギーについては1種類、栄養素については5種類の指標を設定した。
1. エネルギー:「推定エネルギー必要量」
推定エネルギー必要量 (estimated energy requ irement: EER)
エネルギー摂取の過不足の回避を目的とする指標。
● エネルギーの摂取量及び消費量のバランス(エネルギー収支バランス)の維持を示す指標としてBMIを用い、成人における観察疫学研究において報告された総死亡率が最も低かったBMIの範囲、日本人のBMIの実態などを総合的に検証し、目標とするBMIの範囲を提示。
● エネルギー必要量については、無視できない個人間差が要因として多数存在するため、性・年齢区分・身体活動レベル別に単一の値として示すのは困難であるが、参考資料としてエネルギー必要量の基本的事項や測定方法、推定方法を記述するとともに、併せて推定エネルギー必要量を参考表として提示。
2. 栄養素の指標
3つの目的からなる5つの指標で構成。
①摂取不足の回避
推定平均必要量 (estimated average requ irement: EAR)
ある母集団における平均必要量の推定値。ある母集団に属する50%の人が必要量を満たすと推定される1日の摂取量。
推奨量 (recommended dietary al lowance: RDA)
ある母集団のほとんど(97〜98%)の人において1日の必要量を満たすと推定される1日の摂取量。
目安量 (adequate i ntake: AI)
十分な科学的根拠が得られず推定平均必要量が算定できない場合に算定される、特定の集団の人々がある一定の栄養状態を維持するのに十分な量。
②過剰摂取による健康障害の回避
耐容上限量 (tolerable upper i ntake level: UL)
ある母集団に属するほとんどすべての人びとが、健康障害をもたらすリスクがないとみなされる習慣的な摂取量の上限。
③生活習慣病の発症予防
目標量 (tentative dietary goal for preventi ng l ife-style related di seases: DG)
生活習慣病の発症予防を目的として、その疾患のリスクや、その代理指標となる生体指標の値が低くなると考えられる栄養状態が達成できる量として算定し、現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量。
①摂取不足の回避
推定平均必要量 (estimated average requ irement: EAR)
ある母集団における平均必要量の推定値。ある母集団に属する50%の人が必要量を満たすと推定される1日の摂取量。
推奨量 (recommended dietary al lowance: RDA)
ある母集団のほとんど(97〜98%)の人において1日の必要量を満たすと推定される1日の摂取量。
目安量 (adequate i ntake: AI)
十分な科学的根拠が得られず推定平均必要量が算定できない場合に算定される、特定の集団の人々がある一定の栄養状態を維持するのに十分な量。
②過剰摂取による健康障害の回避
耐容上限量 (tolerable upper i ntake level: UL)
ある母集団に属するほとんどすべての人びとが、健康障害をもたらすリスクがないとみなされる習慣的な摂取量の上限。
③生活習慣病の発症予防
目標量 (tentative dietary goal for preventi ng l ife-style related di seases: DG)
生活習慣病の発症予防を目的として、その疾患のリスクや、その代理指標となる生体指標の値が低くなると考えられる栄養状態が達成できる量として算定し、現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量。
2015年版からの主な改定点
- ● きめ細かな栄養施策を推進する観点から、50歳以上について、より細かな年齢区分による摂取基準を設定。2015年版までは50歳以上を50〜69歳と70歳以上の2つに区分していたが、2020年版では低栄養予防やフレイル予防を考慮して、50〜64歳、65〜74歳、75歳以上の3つに区分し、65歳以上を高齢者とした。
- ● エネルギーの摂取量および消費量のバランスを示す指標として2015年版から採用された体格(BMI:body mass index)について、2020年版ではフレイル予防と生活習慣病予防の両面に配慮して65〜74歳、75歳以上の値も示された。
- ● たんぱく質維持必要量が全年齢区分(1歳以上)で男女ともに0.66g/kg体重/日に引き上げられた。また、高齢者のフレイル予防の目的から50歳以上のたんぱく質の目標量の下限値を他の年齢区分よりも高く設定した。
- ● 脂質について、若いうちからの生活習慣病予防を推進するため、新たに3歳以上での目標量(上限のみ)が設定された。また、コレステロールは、脂質異常症の重症化予防を目的とした量として、200mg/日未満※に留めることが好ましいとした。
- ● ナトリウム(食塩相当量)について、高血圧・慢性腎臓病(CKD)重症化予防の目的から、成人の目標量を引き下げた(2015年版:男性8.0g/日、女性7.0g/日 → 2020年版:男性7.5g/日、女性6.5g/日)
- ● 食物繊維について、新たに3歳以上で目標量(下限のみ)が設定された。
※牛乳200mLに含まれるコレステロールは25mg。200mgのコレステロールは、牛乳1.6L に相当する。