第58回 フランスの学校給食 その1

ミルクの国の食だより

コラム、「ミルクの国の食だより」の第58回をお送りします。フランスの学校給食は、日本とはだいぶ様子が違うようです。

9月が新年度のスタート

長かった夏休みが終り、新学期が始まりました。
フランスは9月が新年度のスタート。子どもたちは新学年へと進級します。 

といっても、入学式や始業式のような式典はありません。
初登校日もあっけらかんと普通に始まるので、日本の習慣からすると何やら味気なさを感じます。
  • 新年度の初登校日でも入学式などの式典はなく、自分のクラスを名簿で確認して整列して待つ児童たち。この後、担任が各クラスまで児童を連れて行く。学校給食も初日から始まる

給食を利用しない子どもは帰宅して食事

フランスでは、すべての児童に学校給食が提供されているわけではなく、学校給食を利用するか否かは各家庭による選択制です。

利用回数は週に0回〜毎日(水曜を除く)まで、各家庭の事情によって選べるようになっています。
フランス全土でみると、幼稚園・小学校では63%、中学校・高校では69%の子どもが学校給食を少なくとも週一回は利用*しています。
利用頻度は学年が上がるにつれて増え、地域差もあります。

給食を利用しない子どもは、一旦帰宅して家庭で昼食を食べます。
給食費が高いこと、または宗教による制限やアレルギーがある、子どもが小さいから家庭で食べさせたい、など、その理由は家庭によりけり。

また、給食を日本のように各教室で食べるのではなく、構内か近所に併設された学校食堂に行って食べることもあって、こじんまりとした学校食堂を利用できる人数が限られているため、学校によっては共働きの家庭が優先され、給食を利用したくても制限されてしまうこともあります。

毎日お昼休みに子どもがご飯を食べに家に帰ってくる、なんてことは日本では考えられませんね。
フランスの公立幼稚園・小学校では昼休みが2時間以上あるので、送迎に時間がかかったとしても、家で昼食を食べるのに十分な時間があるのです。

*第2回全国食料消費調査2006‐2007年(INCA2)/食品安全・環境・労働省機関調べhttps://www.data.gouv.fr/fr/datasets/donnees-de-consommations-et-habitudes-alimentaires-de-letude-inca-2-3/

  • 2018-2019年度のリヨン市内公立幼稚園・小学校のスケジュール。8時20分~30分までに登校し、12時から給食の時間。家で食べる児童は一旦帰宅し、14時5分に再登校。学校の終了時間が16時45分なので、給食を利用しない児童の保護者は送迎で学校と家を3往復することになる
※このテーマは次号に続きます
管理栄養士 吉野綾美
1999年より乳業団体に所属し、食育授業や料理講習会での講師、消費者相談業務、牛乳・乳製品に関する記事執筆等に従事。中でも学校での食育授業の先駆けとして初期より立ち上げ、長年講師として活躍。2011年退職後渡仏、現在フランス第二の都市リヨン市に夫、息子と暮らす。